余った通信量を翌月まで繰り越せると便利ですが、現在の大手キャリアの料金プランは使い放題か使った通信量の分だけ通信料金を支払うしくみのものなので繰越に対応していません。
しかし実は、格安SIMなら余ったデータ容量の繰越が可能なものもたくさんあるんです。
この記事では、格安SIMのデータ繰り越し機能の特徴や注意点、対応するおすすめの格安SIMの種類などについて解説します。
スマホの通信量を無駄なくたくさん使いたい方は、参考にしてくださいね。
格安SIMのデータ繰り越しとは?
格安SIMの中には「データ繰り越し」に対応しているものがあります。
繰り越しは、月末時点で余ったデータ容量をその翌月にも使える機能のことです。
すべての格安SIMが対応しているわけではないので注意が必要ですが、多くの格安SIMが対応しているので通信量を大手キャリアより無駄なく使いやすくなっていますよ。
繰り越せるデータの量は?
繰り越せるデータの量は、主に月末時点で余っている通信量となります。
例えば10GBのプランを契約していて2GB余る場合は、余った分が繰り越されて翌月は12GB使えるようになります。
追加チャージを行っている場合はその分も、有効期限切れなどでない限り基本的に繰り越し可能です。
データを繰り越せる期間は?
繰り越したデータ容量は多くの場合、翌月末まで使えます。
翌々月に切り替わったタイミングで、それでも余っていた場合は消失してしまいます。
繰り越した通信量を無駄にしたくない場合は翌月中までに使い切るように気をつけましょう。
なお、繰越分の消失で追加の金銭的な損失が発生するわけではないので、どうしても使い切れないのであればその時はそのままでも問題はありません。
また、追加チャージをした通信量の場合は別途有効期限が決められている場合もあるので、契約先のシステムについて公式サイトなどで確認することをおすすめします。
データ繰り越しの上手な活用方法
格安SIMのデータ繰り越しに関する、便利な活用方法を紹介します。
大容量プランと小容量プランを交互に切り替える
格安SIMでは前月の余った通信量を繰り越すことが可能です。
このしくみを踏まえて、最初に大容量プランを契約、翌月は小容量プランに切り替えるといった運用方法をすれば、大容量を毎月安く使うことができます。
例えばUQモバイルでは、15GB3,465円のトクトクプランを契約→翌月4GB2,365円のミニミニプランに変更、といったことをすれば毎月平均9.5GBを月額平均2,915円で使うことが可能です。
旅行や出張などでたくさん使う月に繰り越しが発生するように調整すると便利
余ったデータ容量を翌月まで繰り越せるシステムを、うまく旅行や出張などたくさん通信するタイミングと重ねて運用すると便利です。
例えば旅行に行かない月は5GBプランのうち2GBだけ使うようにしておけば、翌月の旅行中は8GB使えるので通信量に余裕をもたせることができますよ。
節約モードとの組み合わせも便利!
mineoやIIJmioなどの格安SIMでは、通信速度を速度制限時と同等にする代わりに契約している通信量を消費せずに通信できる「節約モード」が提供されています。
節約モードをできるだけ多く使うようにすれば余る高速通信量も多くなるため、たくさんのデータ容量を翌月に繰り越すことができますよ。
データ繰り越しが可能なおすすめ格安SIM
ここからは、データ繰り越しを利用可能でとくにおすすめの格安SIMを紹介します。
前項で紹介した便利な活用方法を利用しやすい選択肢を中心に選んでいるので、乗り換え先を選ぶ参考にしてください。
UQモバイル
UQモバイルはKDDIがauのサブブランドとしてサービスを手がけている、au回線の格安SIMです。
UQモバイル 料金プラン概要 | |||
ミニミニプラン | トクトクプラン | コミコミプラン+ | |
月額基本料 | 2,365円 | 2,277円・3,465円 | 3,278円 |
月額基本料 (最大割引時) |
1,078円 | 990円・2,178円 | 割引無し |
データ量 | 4GB | 1GB・15GB | 33GB |
低速時速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
無料通話 | 付帯なし | 10分以内通話無料 | |
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
UQモバイルは4GB2,365円のミニミニプランや20GB+10分かけ放題で3,278円のコミコミプランなどの料金プランで展開されています。
ミニミニプランは最大300kbps使い放題の節約モードも利用可能です。
できるだけ快適な通信速度で通信を行いつつ、余った通信量を翌月まで繰り越して使いたい場合はUQモバイルを検討してみてください。
なお、トクトクプランは最大15GB・1GB未満の通信量だった月は1,188円引きというプランですが、実は繰り越し分のデータ容量は通信量が1GB未満の月でも最大15GBの前提で使っていない分が繰り越されます。(2023年11月時点、筆者確認済み)
ワイモバイル
ワイモバイルはソフトバンクがサブブランドとして展開しているソフトバンク回線の格安SIMです。
ワイモバイル料金プラン シンプル2概要 | |||
S | M | L | |
月額料金 | 2,365円 | 2,915円・4,015円 | 2915円・5,115円 |
各種割引適用後料金 (契約翌月以降) |
1,078円 | 1,078円・2,178円 | 1,078円・3,278円 |
データ容量 | 4GB | ~1GB・20GB | ~1GB・30GB |
低速時速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
※表は右にスクロールできます
最新プラン・シンプル2は4GB2,365円などの料金プランで展開されていて、余ったデータ容量は翌月まで繰り越し可能です。
シンプル2 Mは20GB、シンプル2 Lは30GBといった大容量なので、余ったデータ容量もたくさん繰り越しやすいのがワイモバイルの魅力です。
定期的に大容量通信をする方はワイモバイルを検討してみてください。
ワイモバイルは他にもキャリアメールを無料で使えたり、Yahoo!プレミアムのポイント高還元やクーポン付与などを活用できたりと便利な機能も満載です。
mineo
mineoはドコモ、au、ソフトバンク回線に対応する格安SIMです。
1、5、10、20GBの容量から好きなものを選べる、マイピタというプランが主に展開されています。
mineo 「マイピタ」概要 | ||||
月額基本料 (音声SIM) |
1,298円 | 1,518円 | 1,958円 | 2,178円 |
月額基本料 (データSIM) |
880円 | 1,265円 | 1,705円 | 1,925円 |
データ量 | 1GB | 5GB | 10GB | 20GB |
低速時速度 | 200Kbps | |||
通話料 | 22円/30秒 | |||
データ繰り越し | ◯ | |||
5G対応 | ◯ |
mineoは余ったパケットの翌月繰り越しに加えて、他のユーザーとの繰り越しパケット共有(パケットシェア)ができたり、余っている容量を他のユーザーに分け与えたり(パケットギフト)などの機能も用意されています。
家族や友人とともに無駄なくたくさん通信を行いたい場合は、mineoを検討してみましょう。
またmineoには月額385円・10GB以上での契約なら無料で使える「パケット放題Plus」もあります。
最大1.5Mbpsの速度で使い放題通信もできるので、画質を抑えたうえでの動画視聴やSNSなどライトな用途であれば快適に使える「パケット放題Plus」も合わせて活用してみましょう。
パケット放題Plusを利用しない場合でも最大200kbpsの節約モードが使えます。
※上記リンクからのみ特典が適用されます
※お試し200MBコース、マイそくスーパーライトは特典対象外です
IIJmio
IIJmioはドコモ回線・au回線に対応する格安SIMです。
IIJmio 「ギガプラン」概要 | ||||||||
月額基本料 | 850円 | 990円 | 1,500円 | 1,800円 | 2,000円 | 2,700円 | 3,300円 | 3,900円 |
データ量 | 2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | 40GB | 50GB |
低速時速度 | 300Kbps | |||||||
通話料 | 11円/30秒 | |||||||
データ繰り越し | ◯ | |||||||
5G対応 | ◯ |
2GB850円、5GB990円など、他社と比べても非常に料金設定が安価であることがIIJmioの魅力です。
また、iPhoneなどが対応する「eSIM」を、音声通話やSMSに対応しない「データSIM」の契約なら、2GB440円などさらに安い料金で持つことができますよ。
メイン回線が速度制限やエリア外などで制限されてしまったときに使える、サブ回線として持っておくのにもIIJmioは魅力的です。
IIJmioでは家族と通信量を共有する「データ容量シェア」や他の家族に通信量を分けられる「データプレゼント」にも対応しているので、家族で乗り換えてそれぞれ無駄なく通信量を使えるようにしやすいのも良いですね。
IIJmioはmineoと同様に節約モードにも対応、最大300kbpsでSNSやWeb検索などを利用できますよ。
データ繰り越しができない格安SIM
データ繰り越しに非対応な格安SIM・格安プランも、いくつかあります。
例えば大手キャリア系の格安プラン・サービスである以下の4社は対応していません。
- LINEMO
- ahamo
- povo2.0
- 楽天モバイル
ただし、LINEMOは速度制限時もLINEMOベストプランは最大300kbps、LINEMOベストプランVは最大1Mbpsで通信できるので、制限中もSNSなどのライトな用途(スマホプランはYouTubeなどもOK)であれば問題なく行えます。
ただし、LINEMOベストプランで速度制限後に15GB以上、LINEMOベストプランVで45GB以上利用すると、通信速度が128kbpsにさらに低速化してしまうので、使い過ぎには充分注意が必要です。
ahamoはそもそも30GBの大容量ですし、1,980円の大盛りオプションを契約すれば110GB通信も可能なので大容量を使いたいなら大盛りでの運用をすることで対処できますよ。
povo2.0はいつでもトッピングをすれば高速通信ができますし、たくさん使いたい場合は24時間使い放題330円の利用も可能です。
楽天モバイルは3GB1,078円からの低価格かつ、最大でも3,278円で使い放題と低価格なのでたくさん使う月も極端に料金が上がる心配はありません。
つまりデータ繰り越しができないサービスを選ぶ場合も、特性さえ自分に合っていれば便利に使いこなせるので大丈夫ですよ。
まとめ
今回は、格安SIMのデータ繰り越し機能について詳しく解説しました。
ポイント
- 格安SIMの多くでは、余ったデータ通信量を翌月末まで繰り越して使うことが可能
- 楽天モバイルやahamo、povo2.0、LINEMOなど、一部繰り越しに非対応なサービスもある
- プラン変更や節約モードを組み合わせればより便利にお得に通信可能
- UQモバイルやワイモバイルは回線速度が高速で安定・大容量プランも選べる
- mineoは最大20GB対応、パケット放題Plusやパケットシェア・パケットギフトといった機能も便利
- IIJmioは5GB990円など料金設定が低価格、データeSIMならさらに安価なのでサブ回線で持つのにも最適
データ繰り越し機能を活用して、格安SIMをよりお得に、そして便利に使いこなしてみてください。