デュアルSIMは2つのSIMを組み合わせて自由に通信・通話ができる運用方法で、iPhoneでもしっかり使うことができます。
ただし、対応する機種が必要、SIMカードの契約や設定についても注意が必要です。
この記事ではiPhoneをデュアルSIMで使うメリットや注意点、設定方法やおすすめのSIMなどについて解説します。
目次
デュアルSIMは2枚のSIMを1台のスマホで使う仕組み|利用するメリットは?
デュアルSIMとは2枚のSIMカードを1台のスマホに入れて運用する仕組みのことです。
かつてデュアルSIMはマニア向けの使い方で対応する機種も国内だとほとんどありませんでしたが、現在は対応機種が増え、さらに格安SIMなどに便利なものが増えたため、一般の方でも活用したい運用方法となっています。
SIMごとに通話と通信の役割分担や切り替えができる
2つのSIMカードを用意してデュアルSIM環境を整えればSIMごとに通信や通話の役割分担が行えます。
例えばかけ放題のオプション料金が安いSIM・Aと、通信料金が安いSIM・Bを組み合わせれば、通信料金も通話料金もどちらもお得にできますよ。
仕事の連絡に使っているSIM・Aとプライベートで友達との連絡に使うSIM・Bを組み合わせて、1台でどちらの電話番号にかかってくる電話にも対処…といったことも可能です。
海外で現地のプリペイドSIMを活用するのにも便利
海外旅行時は現地での通信手段が必要ですが、デュアルSIM対応スマホなら現地で安価な「プリペイドSIM」を買ってスマホに入れて通信できます。
ただ、プリペイドSIMを使うだけなら普通のSIM1枚しか使えないスマホでも可能ですが、デュアルSIM対応なら日本で使っているSIMは入れたままでOKです。
デュアルSIMなら日本で使っていたSIMを無くす心配がありませんし、日本の電話番号にかかってきた電話をしっかり受けることもできて安心ですよ。
また、SMS認証やSMSのメッセージ送信も、日本で使っていたSIMで問題なく行なえます。
2枚のSIMの同時運用をするには対応する機種が必須!
デュアルSIMを利用するにあたって気をつけなければいけないのは、対応する機種でなければSIMカードを2枚入れられないことです。
せっかくSIMを2枚契約しても、端末がSIM1枚のみの対応なら使い分けにあたっていちいちSIMカードを入れ替えなければいけません。
iPhoneはeSIMによるデュアルSIMに対応している!
iPhoneシリーズは現在だと多くの機種がデュアルSIMに対応していて、日本国内で販売されているiPhoneは2枚目のSIMを「eSIM」で契約することでデュアルSIM環境が整えられます。
eSIMとは通常のSIMカードが発行されず、SIMのデータだけをスマホに入れて通信や通話を可能にする仕組みのことです。
eSIMはすべてのキャリアや格安SIMが対応しているわけではないので、iPhoneで使う2枚目のSIMを契約する際は必ずeSIM対応のものから選びましょう。
2018年発売のXS・XR世代以降がeSIMを使ったSIM2枚運用に対応!
iPhoneにおけるデュアルSIM対応モデルは、2018年発売のiPhone XSシリーズやiPhone XR以降となっています。
iPhone Xや8シリーズ以前のモデルは対応していません。
5年以上前の機種からデュアルSIM対応しているので、今持っているiPhoneでも使えるという方も少なくないでしょう。
しかし、もし非対応の古い機種を使っていた場合は機種変更が必要となります。
デュアルSIMをiPhoneで使う手順・SIMの切り替え設定方法は?
iPhoneでデュアルSIMを使うにあたっての手順や設定方法などについて解説します。
デュアルSIMの契約・設定手順
iPhoneでデュアルSIMを使う場合は以下の手順を順番に進めましょう。
- 1枚目のSIMを通常のSIMカードで契約し通信設定(13シリーズ以降は1枚目もeSIMでもOK)
- 2枚目のSIMを「eSIM」で契約
- 契約先の手順に従って、eSIMをiPhoneにダウンロード
- eSIMの導入完了
iPhoneは基本的に通常の「nanoSIM」1枚+eSIM1枚でのデュアルSIM運用に対応していて、iPhone 13シリーズ以降は2枚ともeSIMで契約しても可能となっています。
eSIMならSIMの発送がなく、契約を終えればすぐに使い始められるので、急いでいてiPhone 13シリーズ以降を使っている場合は両方eSIMで契約するのも良いですね。
楽天モバイルを例にeSIMをiPhoneにダウンロードする手順を見ていきましょう。
- my 楽天モバイルをiPhoneにインストールし、起動してログイン
- 「申込み履歴」をタップし、契約した回線の「申込み番号」をタップ
- 「開通手続きをする」を押し、モバイル通信プランのインストール画面が出たら「続ける」をタップ
- 画面の指示に従って設定を終えれば、eSIMがダウンロードされる
契約先によって使用するアプリなどが異なる場合もあるので、詳しくは契約先の公式サイトなどもしっかりご確認ください。
使うSIMを切り替える方法は?
iPhoneで通信や通話に使うSIMを切り替えるには設定アプリからの操作が必要です。
設定アプリの「モバイルデータ通信」を開き、「モバイルデータ通信」タブからメインで使う通信用のSIMを選ぶことができます。
「デフォルトの音声回線」で電話アプリから電話をかける祭にデフォルトで選択されるSIM(電話番号)も選べますよ。
デュアルSIMとしてiPhoneで使うのにおすすめの格安SIM・プランは?
デュアルSIMでの利用におすすめな格安SIMや格安プランを紹介します。
いずれも通信料金や通話料金が安価なので、好きな組み合わせで契約してみてくださいね。
なお、iPhoneは基本的に2枚目のSIMがeSIMでなければいけないということで、今回紹介するのはすべてeSIM対応の選択肢です。
楽天モバイルは通話料が無料でかけ放題
楽天モバイルは3GBまでは1,078円という格安な料金で使え、最大でもデータ通信し放題で月額3,278円という低価格になっています。
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」概要
月額料金
1,078円
2,178円
3,278円
データ容量
3GBまで
3~20GBまで
20GB以上
通話料
国内通話無料(Rakuten Link使用時)
22円/30秒(標準アプリ使用時)
5G対応
◯
そして、専用アプリの「Rakuten Link」から電話をかけることで、国内の通話は基本無料のかけ放題という点も魅力です。
通常、格安SIMのかけ放題オプションは1,200~1,500円程度かかりますが、楽天モバイルはデータ通信が3GB以内なら1,078円でかけ放題が利用できる事になるので、通話専用として利用する方法などがおすすめです。
データ通信も3,278円で使い放題とお得ではありますが、繋がりやすさは他のキャリア回線と比べて劣るので、メインで使う場合も予備回線用のものを用意しておくのがおすすめです。
povo2.0は基本料0円!予備回線におすすめ
povo2.0はauがWeb申込み専用に展開している格安プランで、基本料金は0円で、必要に応じてデータ容量を「トッピング」をすることで高速通信が行えます。
povo トッピング概要 | |||||||||||
料金 | 390円 | 1,260円 | 990円 | 2,700円 | 6,490円 | 21,600円 | 12,980円 | 9,834円 | 24,800円 | 330円 | 9,834円 |
データ量 | 1GB | 1GB | 3GB | 20GB | 60GB | 120GB | 150GB | 300GB | 使い放題 | 使い放題 | |
有効期限 | 7日間 | 180日間 | 30日間 | 90日間 | 365日間 | 180日間 | 90日間 | 365日間 | 24時間 | 7日×12回 | |
低速時速度 | 128Kbps | ||||||||||
通話料 | 22円/30秒 | ||||||||||
データ繰り越し | × | ||||||||||
5G対応 | ◯ |
通常は2枚目のSIMを契約すればどんなに安くても必ず料金が追加でかかってしまいますが、povo2.0だけは0円なので、メインの回線が通信障害などで利用出来なくなった時の予備回線として保有しておくなどの使い方におすすめです。
データ容量のトッピングもアプリから簡単に購入できるので、いざという時はすぐに切り替えて使う事ができますよ。
IIJmioはeSIM対応!とにかく安くデュアルSIMを使いたいならオススメ
ドコモ・au回線の格安SIMであるIIJmioは音声SIM・音声eSIM、データeSIMの3種類の取り扱いがあります。
※この表は、右にスクロールできます
IIJmio 「ギガプラン」概要
月額基本料
850円
990円
1,500円
1,800円
2,000円
2,700円
3,300円
3,900円
データ量
2GB
5GB
10GB
15GB
20GB
30GB
40GB
50GB
低速時速度
300Kbps
通話料
11円/30秒
データ繰り越し
◯
5G対応
◯
音声SIM・音声eSIMも十分安いですが、データ通信専用のeSIMは2GB440円などさらに低価格なので、楽天モバイルなどの無料で音声通話可能なSIMを持てる他社と組み合わせて使うのも良いですね。
UQモバイルは高品質なau回線、トクトク/コミコミプランなら最大1Mbpsが便利に使える!
UQモバイルはau回線の格安SIMで、KDDIが自ら手がけているため通信品質の高さが特徴です。
通信・通話料金が安価な格安SIMや楽天モバイルと組み合わせて、メイン回線として使うのにおすすめしたい選択肢ですね。
UQモバイル 料金プラン概要
ミニミニプラン
トクトクプラン
コミコミプラン+
月額基本料
2,365円
2,277円・3,465円
3,278円
月額基本料
(最大割引時)1,078円
990円・2,178円
割引無し
データ量
4GB
1GB・15GB
33GB
低速時速度
最大300Kbps
最大1Mbps
通話料
22円/30秒
無料通話
付帯なし
10分以内通話無料
データ繰り越し
◯
5G対応
◯
通信のメイン回線はUQモバイル、通話用としてサブで楽天モバイルと組み合わせるなどがおすすめですよ。
UQモバイルはトクトク/コミコミプランであれば速度制限時でも最大1Mbpsで通信可能、動画やSNSなどをそこそこ快適に楽しめることも見逃せません。
デュアルSIM運用におすすめのiPhoneベスト3
デュアルSIMで使えて現在購入可能なおすすめのiPhoneを3種類紹介します。
予算や画面サイズなどを踏まえて、自分に合った1台を選んでみてくださいね。
最新モデルのiPhone 16は最新AI搭載予定のハイスペックモデル
2024年6月に発売されたiPhone 16は、最新のAI「Apple Intelligence」の実装を予定した設計となっており、CPU・GPU共に性能がこれまでのiPhoneよりもパワフルなのが魅力です。
iPhone 16の主なスペック・価格 | |
価格(128GB、楽天モバイル) | 通常:141,700円 2年後返却:実質70,848円+最大17,000ポイント還元 |
CPU | A18チップ |
ストレージ容量 | 128GB、256GB、512GB |
画面 | 6.1インチ、2,556 x 1,179 |
重さ | 170g |
カメラ | アウトカメラ ・Fusion:4,800万画素 ・超広角:1,200万画素 ・望遠:1,200万画素 インカメラ ・1,200万画素 |
バッテリー持ち(ビデオ再生時) | 最大22時間 |
Apple Intelligenceが搭載されると、作成した文章を校正したり録音ボタンを押すだけで文字起こしをしてくれたり、優先的なメールをアプリ上部に表示したりなど、さまざまな便利な機能が利用できます。
より高度なAI機能が使えるように、新たに搭載されたA18チップはiPhone 15よりもCPUが最大30%速く、GPUは最大40%速くなっています。
さらに、新たな「カメラコントロールボタン」も搭載され、カメラアプリの起動はもちろん、ホワイトバランスやズーム調整などさまざまなカメラ機能へより素早くアクセスできるようになりました。
バッテリーの持ちも良くなっているため、電池持ちを気にする方にもおすすめ。
iPhone SE(第3世代)はコンパクトさや低価格が魅力!
iPhone SEの第3世代は、2022年3月に発売されたiPhoneです。
UQモバイルで4万円台から買えるなど、非常に低価格ながらiPhone 13シリーズと同じCPUを搭載している高性能が魅力です。
iPhone SE(第3世代)の主なスペック・価格 | |
価格(UQモバイルで他社からの乗り換え+ 増量オプションII契約時) |
48,935円(定価65,335円)~ |
CPU | A15 Bionic |
ストレージ容量 | 64GB、128GB、256GB |
画面 | 4.7インチ、1,334×750 |
重さ | 144g |
カメラ | アウトカメラ1,200万画素/インカメラ700万画素 |
バッテリー持ち(ビデオ再生時) | 最大15時間 |
画面サイズ4.7インチのコンパクトなモデルなので、片手で気軽にiPhoneを持って使いたい人にもイチオシですよ。
デメリットとしてはデザインが2017年のiPhone 8からほとんど変わっておらず古いことや、カメラ性能が単眼レンズでちょっと物足りないことが挙げられるので、この後紹介するiPhone 13やiPhone 12 miniも合わせて検討してみてください。
iPhone 15は最新モデル!デュアルレンズ対応・大画面
最新のiPhone 15は楽天モバイルやApple Store、大手キャリアなどで購入できます。
iPhone 15の主なスペック・価格 | |
価格(128GB・楽天モバイル) | 通常;140,800円 2年後返却:実質70,392円+最大19,000ポイント還元 |
CPU | A16 Bionic |
ストレージ容量 | 128GB、256GB、512GB |
画面 | 6.1インチ、2,556×1,179 |
重さ | 171g |
カメラ | アウトカメラ4,800万画素+超広角1,200万画素 インカメラ1,200万画素 |
バッテリー持ち(ビデオ再生時) | 最大20時間 |
6.1インチの大画面を搭載していてカメラも4,800万画素の高画素数によるキレイな2倍ズームができたり、超広角レンズにより広い空間を撮影できたりなどのメリットがありますよ。
これから何年も使っていくiPhone、動画やゲームなども見やすい大画面で便利に活用したい場合はiPhone 15を検討してみましょう。
iPhoneでデュアルSIMを使う際の注意点
最後にiPhoneをデュアルSIMで運用する際の注意点をまとめました。
2枚以上eSIMが使える機種は13~16シリーズのみ
iPhoneは基本的に「nanoSIM+eSIM」での組み合わせとなっていますが、iPhone 13~16シリーズはeSIMを2枚組み合わせて使える仕様です。
上記シリーズ以外を使う方は、必ずどちらかのSIMを通常のnanoSIMで契約しましょう。
今どちらのSIMを使っているかは定期的に確認!
通信や通話に使うSIMカードが間違っていると、通信料金や通話料金が割高になってしまう可能性があります。
今どちらのSIMを使って通信や通話をしているか、定期的にチェックするようにしましょう。
まとめ
今回は、iPhoneのデュアルSIM運用について解説しました。
ポイント
- 2018年のXR・XSシリーズ以降ならデュアルSIMで使える
- 基本的にnanoSIM+eSIMの組み合わせ、eSIM2枚はiPhone13~16シリーズのみ
- 楽天モバイルは1,078円、povo2.0は0円から使えるのでデュアルSIM運用の組み合わせに最適
- IIJmioは安価に利用可能、中でもデータeSIMかなり低価格
- UQモバイルは高品質なキャリア回線や節約モード等の最大1Mbpsが魅力
対応するiPhoneとSIMカードを用意して、デュアルSIMを活用してみてくださいね。