
三井住友が2023年3月からサービスがスタートした新しいモバイル金融サービス「Olive(オリーブ)」は、今までのカードには備わっていない機能「フレキシブルペイ」が利用できるなど、何かと話題のサービスです。
ただ、実際どのように役立つのか、三井住友カードとの違いは何か?と疑問をもつ方も多いでしょう。今回は、注目のサービス三井住友Oliveについて、徹底解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
目次
三井住友の「Olive」は何がすごい?
三井住友のOliveは、お金の管理や運用のほかに、支払い方法までアプリ1つで完結できます。
アプリ1つでお金の管理や運用全てを完結
三井住友Oliveの大きな魅力は、お金の管理や運用を1つのアプリで一元化できることです。
一般的にサービスごとのアプリを利用して自分の資産や保険を管理する方が多いですが、アプリごとで仕様は異なるため、ややこしさや面倒臭さがあります。ほかにも、店舗へ出向いて通帳を記帳したり、銀行間のお金の移動をさせたりなど、実際に個人で管理するのは限界を感じてしまう方も多いでしょう。
しかし三井住友Oliveであれば、三井住友銀行の口座・クレジットカード・SBI証券口座・保険といった金融に関するすべてのサービスが1つのアプリで一元化。お金や保険の管理などにかかる負担を今までよりも軽減できるようになります。
新機能「Oliveフレキシブルペイ」を搭載
三井住友のOliveには、VISAが開発した新機能「フレキシブルペイ」が備わっており、4つのカード機能が1枚に集約されています。
- クレジットカード
- キャッシュカード
- デビットカード
- ポイント払い
SBI証券の口座を三井住友銀行アプリで連携させれば三井住友銀行アプリで口座残高や損益状況の確認までできるので、非常に便利ですよ。
持ち運び面でも、財布に複数枚所持する必要がなくなるので荷物を少なくしたい方にもおすすめです。
Oliveのメリット
まだまだ新しい金融サービスのOliveですが、生活のさまざまなシーンで利用できる身近な存在です。
1枚で効率よく全ての金融サービスを利用できるメリットのほかにも、多くのメリットがOliveにあるのでしっかりと理解しておきましょう。
ポイント還元率の高さが大きな魅力
通常の三井住友カード(NL)で受けられるポイント還元は最大12%ですが、Oliveはさらに8%多い最大20%となっています(※対象のコンビニ・飲食店での還元率)。
※対象のサービスの利用状況に応じて、対象のコンビニ・飲食店での利用時に通常のポイント分を含んだ最大20%ポイントが還元されます
※¹ 商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります
※² ポイント還元率の合算は、複数のVポイントアッププログラムの条件を達成した場合、20%を超える事がありますが、景品表示法の定めに基づき、実際にポイントアップされる還元率の上限は20%までとなります
ポイントアップを受けるためには当月投資信託の買付を行うことやSMBCモビット、住宅ローンの契約など、さまざまな条件がありますが難しいものばかりではありません。Oliveアカウントの契約やアプリへ月1回以上ログインするなど、手軽に達成できる条件もあるので、自分がやりやすいものから始めてみてください。
ポイントキャンペーン期間ではなく、通常時でポイントがアップするため、自分のペースで利用が可能です。カード利用の目的がポイントを貯めて、お得にさまざまな特典を得ることだという方の場合は、三井住友Oliveは非常にメリットが多いといえるでしょう。
コンビニで利用すると最大7%ポイント還元
セブン-イレブンやローソンなど、コンビニでスマホのタッチ決済をした場合ポイントが4.5%アップします。
また、対象のコンビニ利用であれば、買い物をするだけで最大7%のポイント還元を受けられるので大きなメリットです。ただしファミリーマートは対象外なので注意しましょう。
その他にもマクドナルドやすき屋、ドトールコーヒーショップといった有名な飲食店が複数対象として含まれています。外食を多く利用する人は、効率的にポイントを貯めやすく魅力的です。例えば、対象店舗で家族1回5,000円の飲食を週に1回行うだけでも、月間最大3,000ポイント獲得できます(※最大20%還元の適用の場合)。
使うほどお得なVポイントアッププログラム
VポイントアッププログラムとはSMBCグループの各社サービスの利用状況によって、対象店舗で利用のポイント還元率を最大+8%にしてくれるサービスです。
通常ポイントや対象のコンビニや飲食店でのタッチ決済、さらに以下のサービスと組み合わせると最大20%ポイント還元されます。
対象サービス | ポイント還元率 | 達成条件 |
---|---|---|
Oliveアカウントの 選べる特典 |
+1% | Oliveアカウントの選べる特典の中から 「Vポイントアッププログラム」を選択。 |
Oliveアカウントの契約と アプリにログイン |
+1% | Oliveアカウントに契約し、 Vpassアプリ・三井住友銀行アプリに1回以上ログイン |
Oliveアカウントの契約と 住宅ローン |
+1% | Oliveアカウントに契約し、住宅ローンの契約 |
SBI証券 | +0.50% | 当月投資信託の買付が1回以上 |
+0.50% | 当月国内株式・米国株式取引1回以上 | |
+1% | 当月末のNISAやつみたてNISA口座の 保有資産評価が30万円以上 |
|
SMBCモビット | 最大+1% | OliveアカウントおよびSMBCモビットを契約のうえ Oliveアカウント契約口座を支払方法に登録 |
住友生命 | 最大+1% | 「Vitalityスマート for Vポイント」に加入のうえ、 Vitality健康プログラムを実施 |
プログラムの達成状況はアプリで簡単に確認ができます。ただし、達成状況や適用されているポイント還元率の確認は、三井住友銀行アプリ・Vpassアプリのどちらかとアカウント情報を紐づけておく必要があるため、事前に手続きをしておきましょう。
基本的にOliveには専用のアプリがないので、主要で利用するのは三井住友銀行アプリを使います。すでに三井住友銀行アプリを利用中の人は、一度アプリをログアウトしてSMBC IDで改めてログインし直し、Oliveの画面に切り替えましょう。
Vポイントアッププログラムのポイント還元率は、三井住友カード(NL)にも適用可能になるので、メインは三井住友カード(NL)を使用しOliveアカウントを開設してください。
Oliveの付与上限は50,000ポイント
一般的なクレジットカードのポイント付与上限は15,000ポイントですが、Oliveの場合は1ヶ月50,000ポイントが付与上限となっているため、かなりの高さといえます。
例えば、Vポイントアッププログラム利用でポイント還元率15%の場合、1ヶ月約33万円の利用で上限までポイントが付与されます。
ポイント付与のタイミングは、クレジットカードの利用代金と同じで末締めの翌月10日頃にポイントが付与されます。Oliveのデビットカードで支払った場合は、利用した月の翌月20日頃が付与されるタイミングです。
申し込みのハードルの低さ
Oliveフレキシブルペイは0歳から申し込みが可能です。
ただし、未成年の方はデビットモードのみの利用に加え、作成直後は限度額が0円になっているため利用する際には三井住友銀行アプリ・Vpassアプリで限度額の変更が必要です。
また、クレジットカードを利用する場合は、高校生を除く18歳以上の方からの申し込みとなります。
三井住友カード(NL)とOliveの2枚持ちが可能
Oliveと三井住友カード(NL)を併用することで、両カードが持つデメリット部分を補えます。
三井住友カードの新しい、券面に番号の記載が無いクレジットカード。
■還元率7%に関してのご注意
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です
※商業施設内にある店舗などでは、一部ポイント付与の対象となりません
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます
※通常のポイントを含みます
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 0.5~7.00% |
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例えば、Oliveでは、家族カードを作れない、iD決済がデビットカードのみ、VISAしか選べないなど、一部に制限がありますが、三井住友カード(NL)では、すべて補えます。
一方で、三井住友カード(NL)では、当然支払い方法はクレジットカード払いのみ、銀行のキャッシュカード機能もありませんが、Oliveであればどちらも補え、また、併用することでOliveアカウントの特典も適用されるようになります。
このように特別な理由がない限り併用はメリットばかりなので、どちらも作成することをおすすめします。
Oliveは特典が豪華で選択肢が広い
三井住友のOliveは基本的な特典と毎月選択できる特典の2種類があります。
基本特典は以下3つの手数料が無料になります。
- 定額自動送金
- SMBCダイレクトの他行宛へ振込 ※
- 三井住友銀行支店のATM利用
※Oliveアカウント契約口座を出金口座としたSMBCダイレクトでの他行あて振込手数料が月3回まで無料
こうした手数料はよく利用する人にとっては非常に魅力的なサービスですね。
家賃や光熱費の支払などは、決まった口座から振り込まなくてはいけないというケースは多いので、利用しやすくなる特典だといえます。
一方、毎月選択できる特典は、以下の手数料やポイント関連の特典から1つを選ぶことができます。
- 給与や年金の受け取りで200ポイント
- コンビニATM手数料1回無料
- Vポイント1%アッププログラム
- 月末時点の残高が10,000円以上で100ポイント
選択肢の幅が広く、基本特典と選択型の特典の両方を合わせると、かなりポイントも貯めやすく便利なサービスだといえるでしょう。※くわしくは三井住友銀行ホームページをご確認ください
Oliveのデメリット
Oliveはとてもメリットの多いサービスですが、システム変更も続いています。
そのため、メリットだけではなくてデメリットもしっかりと理解しておくことで利用した時の不便さを感じなくて済見ます。それぞれ解説するので参考にしてみてください。
三井住友銀行の口座開設が条件
Oliveを利用するには三井住友銀行の口座開設が絶対条件です。別の口座をメインで使っている人やネット銀行を利用したい人にはデメリットに感じるでしょう。
ただし、三井住友銀行は以下の点で魅力があります。
- 全国どこでも支店、ATMがある
- 銀行アプリが使いやすく管理がしやすい
- SMBCダイレクトの操作がわかりやすい
- Oliveアカウントの場合はアプリで一元管理可能
またOliveではアプリ上で口座開設手続きを完了させるデジタル口座を採用しているのでどこでも気軽に口座開設が可能です。
口座開設が条件というのは不便さを感じるかもしれませんが、利用してみて初めてわかる良さもあるでしょう。
国際ブランドはVISAのみ
Oliveが選択できる国際ブランドはVISAのみなので、ヨーロッパ圏に強いといわれるMastercardやその他のブランドを検討している方にはデメリットに感じるかもしれません。
VISAのみでも国内外問わず多くの店舗で利用できますが、すでにVISAのカードを持っている方で別のブランドを選びたい方には不向きに感じるでしょう。
ただし三井住友カード(NL)ではMastercardも選べるため、国際ブランドの選びに幅を持たせたい方はOliveとの併用をおすすめします。
家族カードの発行ができない
クレジットカードの多くが家族カードを発行できますが、Oliveにはありません。
ただし、家族カードの代わりに「家族ポイント」があり、登録をすることによって家族1人につきプラス1%還元されます。
最大5人までポイントアップの対象になるので、最大プラス5%還元され、5人以上の場合は対象店舗でVisaのタッチ決済などで支払いをすると、通常のポイント分を含めて最大10%ポイント還元が可能です。家族ポイントの加算対象になる店舗もかなり多く、利用のしやすさが魅力といえるでしょう。
注意点としては、Oliveフレキシブルペイのうちクレジットモードの支払のみが対象であることです。他にも家族ポイント自体は登録しないと利用できないため、気軽に使える家族カードを利用したい人にはデメリットと感じてしまうでしょう。
Oliveはランクアップができない
Oliveは申し込み時に一般・ゴールド・プラチナプリファ―ドの3ランクから選択できますが、一度選択するとランクを変えることができません。一般的なクレジットカードですと、自分のライフスタイルに合わせてカードのランクを変更することができます。
しかしOliveは、ランクを変更したい場合、一度解約しなくてはいけません。解約した後もすぐにランクを変更することはできないので、大体2週間後を目安に希望のランクで新たに申し込みましょう。
ただし、新規申し込みとなると再審査になるため、再度1週間以上の時間がかかるでしょう。利用者側が対応する負担が多くなるため、カードランクを変更する可能性のある方にはデメリットといえます。
三井住友カード(NL)・プラチナプリファードとOliveを比較
三井住友のOliveは、その他の三井住友カード(NL)やプラチナプリファードもあるのでそれぞれの違いを比較してみましょう。
違いを理解したうえで自分との相性が良いカードを選んでください。
三井住友カード(NL)との違い
三井住友カード(NL)とOliveの大きな違いは、以下の4点です。
- ポイント対象やポイント還元率
- 特典
- 国際ブランドの選択肢
- 家族カード
ポイント対象やポイント還元率では最大15%還元の三井住友カード(NL)に対し、ポイント還元率は最大20%かつ、デビットカード支払いもポイント対象になるOliveに軍配があがります。
※対象のサービスの利用状況に応じて、対象のコンビニ・飲食店での利用時に通常のポイント分を含んだ最大20%ポイントが還元されます
※¹ 商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります
※² ポイント還元率の合算は、複数のVポイントアッププログラムの条件を達成した場合、20%を超える事がありますが、景品表示法の定めに基づき、実際にポイントアップされる還元率の上限は20%までとなります
また、Oliveでは基本特典の他に自分で選べる特典があるので三井住友カード(NL)よりもお得感があるでしょう。
一方でOliveは国際ブランドがVISAのみしか選べず、家族カードも作成できません。国際ブランドの選択幅や家族カードに関しては、VISAとMasterCardのいずれかが選べ、また家族カードも作れる三井住友カード(NL)に軍配があがるでしょう。
ただし、Oliveと三井住友カード(NL)は2枚持ちもできるので、どちらも作成してうまく使い分けるのもおすすめです。
三井住友カードゴールド(NL)とOliveフレキシブルペイゴールドの違い
三井住友カードゴールド(NL)との違いは以下の2点です。
- 年会費
- 入会特典
どちらのカードも年会費には5,500円必要ですが、Oliveフレキシブルペイゴールドの場合は初年度が無料になるので、お試しで利用しやすいといえます。
また、年間100万円以上の利用で翌年以降も年会費無料で利用できる点はOliveフレキシブルペイゴールドの大きな特徴です。
入会特典では、三井住友カード(NL)が最大15,000円相当のポイントがもらえるのに対し、Oliveフレキシブルペイゴールドでは最大26,000円相当のポイントがもらえます。年会費や入会特典をお得にしたいという方はOliveフレキシブルペイゴールドが向いています。
※特典付与には条件があり、口座開設とクレジットカード・デビットカードの取引、証券の取引も含みます
※最大26,000円相当は最上位クレジットカードでの取引が対象になります
プラチナプリファードとOliveフレキシブルペイプラチナプリファードの違い
三井住友カードプラチナプリファードとの大きな違いは入会キャンペーンの部分です。
Oliveフレキシブルペイプラチナプリファードは年会費33,000円は初年度無料ですが、三井住友カードプラチナプリファードの場合は無料にはなりません。
とりあえず試してみたいのであればOliveフレキシブルペイプラチナプリファードがおすすめです。
カード利用が多く、特典を重視しているのであれば三井住友カードプラチナプリファードの利用が向いています。
ポイント特化型プラチナカードとしては両カードに高還元率優待が付帯されているのでとても魅力的です。
Oliveアカウント申し込み方法
Oliveアカウントを申し込む方法は、まず三井住友銀行の口座を持っているかいないかで違ってきます。
持っていない方は先に三井住友銀行の口座を作ることから始めましょう。それぞれの申し込み方法をご紹介するので参考にしてみてください。
口座を持っていない方
まず、Olive公式サイトにアクセスします。ページ内に三井住友銀行アプリをダウンロードする項目があるのでダウンロードしてください。
三井住友銀行アプリを開くと「ログイン画面」と「Oliveアカウントを申込む(講座開設)」という項目が出てくるので、口座開設の方を選択します。口座開設とカードの申し込み手続きが同時にできるため必ず本人確認書類を準備しましょう。わかりやすいのは運転免許証やマイナンバーカードです。
次にSMBC IDの登録を行うため、メールアドレスを入力します。メール認証をした後はパスワードの登録を行い、生年月日・国籍を選択し、本人確認を行いましょう。
次に、Oliveアカウントのサービス概要説明が出てくるので、しっかりと確認した上でアカウントランクを選択します。規約に同意後、詳しい顧客情報を入力、キャッシュカード・フレキシブルペイそれぞれの暗証番号を設定し、SMS認証を行えば口座開設の完了です。
申し込みから3日程度で完了報告メールが届き、さらに1〜2週間程度待つと三井住友銀行から簡易書留でマルチナンバーレスカードが届きます。この時点で、クレジットモードも使用が可能になるのです。
口座を持っている方
すでに三井住友銀行の口座を持っている方は三井住友銀行アプリをダウンロードし起ち上げます。
次にカードの申し込みと初回登録を行います。登録してから数日後に審査結果のメールが届くので、通過した場合は再度アプリにログインしましょう。
クレジットモードとデビットモードの設定を行います。最初にOliveアカウントに切り替えを選択し、アカウントランクなどを決めてください。顧客情報を入力し、フレキシブルペイ設定に進み、支払いモードを選択しましょう。
支払モードは選択した後でも自身の都合で変更が可能です。モバイル決済を登録し、デビットモードの設定は完了します。次に、クレジットモードも同様に設定してください。
まとめ
三井住友Oliveは2023年3月にスタートしたばかりのモバイル金融サービスですが、活用することによって日頃の金融管理や運用の負担を軽減させられます。
一般的なクレジットカードよりも、ポイントが貯めやすい特典が豊富に揃っているので、便利さとお得感の両方を得られるでしょう。
メリットもたくさんありますが、デメリットもあるため、自分にとってメリット・デメリットどちらが多いのかよく検討してから決めてください。