最近、投資を始めるための手段として注目を浴びているクレカ積立。
クレカ積立とは、クレジットカードを活用して定期的に投資信託や株式などに積立を行う方法です。
ここでは、クレカ積立におすすめのクレジットカードや、クレカ積立の具体的なメリット・デメリットについて詳しくご説明いたします。
クレカ積立とは?
クレカ積立とは、クレジットカードを利用して定期的に資金を積み立てて投資することです。
一般的な積立投資とは異なり、クレジットカードの利用額が積み立て対象となります。
毎月のクレジットカードのご利用代金が自動的に積み立て口座から引き落とされ、資産形成が行われます。
クレカ積立の特徴として、
・簡単で気軽に投資を行える
・クレジットカードのポイントが貯まる
・貯まったポイントでポイント投資を行える
などが挙げられます。
最近、NISAの拡充やiDeCoの広まりなどを受けて、今まで投資をしたことのない方も多くの人が投資を始めています。
そんな中、2021年頃より、クレジットカードを利用して証券会社で投資をすることが可能になりました。今まで投資をして来なかった方にも気軽に投資を始められるとして広まっています。
しかし、投資にはリスクが付きものです。利益が出ることもあれば、逆に損失が出てしまうこともあります。
投資をして来なかった方の理由としては、「投資は怖い」「上がり下がりのタイミングが難しい」「何を買ったらいいのかわからない」などという理由が多いでしょう。
そのような投資に対する不安を払拭する手段の一つが積立投資です。
積立投資とは?
積立投資とは、一定の期間や定期的な間隔で一定金額を投資する方法のことです。
例えば、毎月5万円を株式や投資信託に積み立てるといった形になります。積立投資は、一度に大きな金額を投資することが難しい人やリスクを分散させたい人に適しています。
相場の変動によるリスクを低減させ安定的に投資できることや、手軽に投資できるなどといったメリットがある一方で、市場のタイミングを図ることができない点や、より長期投資をする必要性などのデメリットもあります。
さまざまな投資手法や金融商品がある中で、投資初心者の方には、積立投資が合っています。特に、より変動が小さくリスクを抑えた投資信託に投資をするのが良い選択肢でしょう。
投資信託とは?
投資信託とは、多くの投資家から資金を集め、それを専門的な運用会社が投資をする仕組みのことです。
投資家は、多種多様の投資を行うことができ、投資のリスクを分散し、投資効果を最大化することができます。
個別の株や債券などの金融商品に投資をするにあたっては、投資先銘柄の選択やリスク管理などを行う必要があります。
しかし投資信託を通じて投資することにより、投資家は投資先の選択やリスク管理を専門家に丸投げできます。
また、上場株などとは違い、購入するために多くの金額が必要な金融商品や、個人投資家では買えない金融商品に投資信託を通じて間接的に投資することも可能です。
「個別銘柄を選ぶのが難しい」「売買タイミングをプロに任せたい」などといった思いを抱えた方に向いています。
クレカ積立できる金融商品
クレカ積立の積立先は、主に投資信託です。クレジットカードと証券会社によっては、個別株やETFの積立もできます。
さらに、つみたてNISA・NISA対象の銘柄であれば、基本的にはクレカ積立が可能です。
つみたてNISA・NISAについては、一定金額内の投資であれば投資信託や株式、ETFの利益や配当金に対する税金が非課税になる制度です。
つみたてNISAの対象となる金融商品は、しっかり運用された長期投資に適した商品かを、金融庁が厳選しているため、投資初心者の方は、クレカ積立でつみたてNISAを利用するのが良いでしょう。
いずれにしても投資はリスクがあるものなので、クレジットカード会社が提携している金融商品の種類や運用実績を確認し、自分に合った投資先を選ぶことが重要です。
クレジットカードと証券会社の組み合わせによるおすすめのクレカ積立をご紹介します。
それぞれメリット・デメリットがありますので、投資先選びの参考にしてください。
三井住友カード×SBI証券
100円から投資できる
投信積立可能な銘柄すべてを対象に毎月100円から積立できます。(毎月最大100,000円、複数の銘柄の取引可能)
一度カード登録するだけで口座に入金する手間もなく、毎月自動で取引を行うことができます。また、積立額はいつでも変更可能です。
つみたてNISAにも対応
つみたてNISAとは2018年からはじまった少額投資の非課税制度のこと。毎年40万円(月々33,333円)の非課税の投資枠から得られる利益(分配金や譲渡益)に対して税金がゼロになります。※2024年より制度が拡充されます。
毎月100円から積立でき、一度カードを登録するだけで毎月自動で取引を行うことができます。また、つみたてNISAにも対応しています。
三井住友カードの新しい、券面に番号の記載が無いクレジットカード。
■ポイント還元率最大7%に関してのご注意
※iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です
※スマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®タッチ決済での支払いが対象です。
※商業施設内にある店舗などでは、一部ポイント付与の対象となりません
※一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます
※通常のポイントを含みます
※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります
初年度年会費 | 2年目~年会費 | ポイント還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 0.5~7%(※) |
楽天カード×楽天証券
楽天ポイントが最大1%貯まる
投資信託の積立額に対して最大1%の楽天ポイントが貯まります。
2023年6月買付分からポイント進呈率の引き上げが実施されました。この改定により、楽天カードの種類により0.5〜1%のポイントが付与されることになりました。
楽天ポイントで積み立てができる
楽天証券の投信積立には、1Pから楽天ポイントを利用することができ、積み立て額の一部もしくは全額をポイント支払することができます。
つみたてNISA対象銘柄が多い
楽天証券は、つみたてNISA対象銘柄数がネット証券の中で最も多い証券会社です。
年会費無料、買い物する度ポイントがどんどん貯まって使い道も無限大。 圧倒人気のオールマイティカード。
- 節約◎
- 電子マネー
- 買い物◎
- 初めて
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 1.00~3.00% |
auPAYカード×auカブコム証券
毎月100円から積立可能
100円から50,000円まで1円単位設定可能です。
クレカ積立で1%貯まる
100円ごとに1Pontaポイントが貯まります。
投資信託の保有とauの投資信託でポイントが貯まる
それぞれ月間平均保有残高に応じて最大年0.24%、最大年0.10%貯まります。
東急カード×SBI証券
TOKYU POINTが貯まる
毎月の積立額に応じて、最大3%ポイント「クレカつみたてポイント」が貯まります。
投資信託の保有残高や資産運用に応じたポイントが貯まる
「クレカつみたて」で貯まるポイントとは別に投資信託の保有残高や資産運用に応じた「運用ポイント」が貯まります。
TOKYU ROYAL CLUBのカウント対象
「クレカつみたて」のご利用がTOKYU ROYAL CLUBの1カウントとなります。
SAISONCARDDigital×大和コネクト証券
永久不滅ポイントがもらえる・貯まる
月間の積立金額に応じて永久不滅ポイントが貯まります。
つみたてNISAに多く対応
積立でポイントを貯めながら、得られる利益に対して税金がゼロになります。
カード・証券ともにデジタルのため、手間・管理が不要
SAISONCARDDigitalはナンバーレスのデジタルカード、大和コネクト証券は大和証券グループ本社100%出資のスマホ専業証券です。
エポスカード×tsumiki証券
毎月100円から投資信託が購入できる
毎月100円〜50,000円まで、エポスカード1回払いで投資信託が購入できます。
つみたてNISAがつかえる
売った時の利益に税金がかかりません。
つみたて投資をしながらエポスポイントがたまる
1年間の「つみたて金額」に応じて0.1〜0.5%のエポスポイントがもらえます。
年会費無料店舗受取なら最短即日発行OK。全国10,000以上の店舗で割引やポイントアップも。
- 節約◎
- 海外◎
- スピード発行
- 買い物◎
- 初めて
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 0.5%~1.25% |
セゾンカード/UCカード×スマートプラス(セゾンポケット)
永久不滅ポイントがもらえる・貯まる
カードで積立すると、永久不滅ポイントがもらえます。
セゾンカード/UCカードで積み立てられる
いつものカードで気軽に始められます。
毎月1,000円から積立可能
積立は月々1,000円から可能です。
年会費無料で初めての一枚にも◎。永久不滅ポイントをじっくり貯めたい人や即日発行したい人にも(※2024年8月16日~12月末は即日発行が行われていません)。
- 高コスパ
- スピード発行◎
- 海外
- 電子マネー
- 買い物◎
- 初めて◎
- ステータス
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
0円 | 0円 | 0.50~1.00% | なし |
マネックスカード×マネックス証券
ポイント還元率が1.1%と高い
ご利用100円につき1ポイントのほか、1,000円につき1ポイントが加算されて貯まります(申込は原則1,000円以上1円単位。毎月50,000円まで)。
即時出金サービスが5回まで無料になる
マネックス証券の「即時出金」サービスは、1回のご利用につき、手数料が330円(税込)かかりますが、マネックスカードをお持ちのお客様なら月に5回まで実質無料(キャッシュバック)となります。
マネックスポイントは様々なポイントへ交換可能
貯まったポイントはマネックス証券での株式手数料に充当したり、他社提携ポイントと交換したりすることができます。
タカシマヤカード×SBI証券
タカシマヤポイントが貯まる
投資信託のカード積立で、毎月タカシマヤポイントが貯まります。
お店で相談コースが選べる
タカシマヤのファイナンシャルプランナーによるお金の無料相談を受けられます。
高島屋や提携店舗で受けられる優待特典も充実
高島屋やタカシマヤグループオンラインサイトでのご利用で貰えるポイントが最大8%(ゴールドは10%)。さらに提携店舗でさまざまな特典も利用可能です。
クレジットカード積立のメリット
少額から投資可能
クレカ積立は、いつも使っているクレジットカードを利用して積み立てるため、自分の生活水準に合った金額でスタートすることができ、投資初心者にもおすすめです。
毎月100円から積立可能なサービスもあり、少額から始めることで、投資に対するハードルを下げることができます。
ポイントを貯められる
多くのクレジットカードでは、利用金額に応じてポイントやマイルを獲得することができます。
クレカ積立を行うことで、普段の買い物などで貯まるポイントやマイルに加えてクレカ積立に対するポイントも貰うことができます。
入金・購入の手間が省ける
クレカ積立は、クレジットカードと銀行口座を紐づけるだけで簡単に手続きが完了します。
さらに、クレジットカードの利用によって自動的に積み立てが行われるため、入金や購入の手間や面倒さが少ないというメリットがあります。
クレジットカードの発行と証券口座の開設はどうしても必要になる手続きですが、通常の投資より遥かに少ない手間で始められます。
通常の投資では、まず証券会社の口座に現金を入金した上で、対象の金融商品の購入の手続きが必要です。毎月自動積立を行うこともできますが、入金の手続きは必要となってしまいます。
そのような毎月の積み立ての手続きをする必要がなく、特に普段忙しい人にとっては大変便利です。
ポイントを投資に利用できる
クレカ積立の最も重要とも言えるメリットとして、クレジットカードの利用で得られるポイントやキャッシュバックも投資先に積み立てることができます。
これにより、投資先への積立額を増やすことができます。
例えば、ポイント還元率が1%だとすると、10万円投資した場合は1,000円分多く投資に回すことができます。
1%と聞いてもあまりぱっと来ないかもしれませんが、2023年8月現在、銀行の普通預金の金利は0.001%なので、それに比べて1,000倍です。
預金に100万円置いておいた場合は、年間で10円しか増えませんが、投資に回すだけでそれが10,000円になるのです。
もちろん、投資からの利益が出ればそれ以上に増えますし、下がってしまったら元本を下回ることもあります。
クレジットカード積立のデメリット
積立上限が設定されている
クレカ積立は、毎月5万円という上限が設定されています。
これは、クレジットカードで金融商品を買いすぎることがないよう、投資家を保護する目的で国が決めていることです。
また、クレジットカードの利用額が積み立て対象となるため、クレジットカードの利用額に制限がかかることがあります。
クレジットカードの利用限度額や利用制限に注意しながらクレジットカードを利用する必要があります。
積立日は固定
クレカ積立は、毎月の積立日が固定されています。
証券会社とクレジットカード会社の選択により、毎月◯日といった具合に決められてしまうのです。相場の変動は毎日あるものなので、その変動のタイミングを図って投資することはできません。
日々の細かい変動は気にしないという方は問題ありませんが、日々の変動が大きくない投資信託を選ぶことが重要です。
家族カードは利用できない
クレカ積立は家族カードではできません。ポイントを貯めたい、積立額を増やしたいといった理由で家族カードも使いたいという方もいますが、残念ながら家族カードでの積立はできません。
投資は、本人名義で本人の資金で行うことが原則であるため、家族カードを使った積立ができてしまうと、本人名義で本人の資金で投資を行うのではなく、名義と資金が別人になってしまうからです。
口座残高や年会費に注意
クレカ積立では、定期的にクレジットカードのご利用代金が引き落とされるため、毎月の支払口座の残高には注意しましょう。
もしも支払いの遅れがあった場合、遅延損害金などの費用が発生する可能性や利用限度額が下がることなどもあります。
そういった費用を避けるためには、毎月の支払いを忘れずに行うことが重要です。
クレカ積立に関するQ&A
クレカ積立の上限が5万円の理由は?
クレカ積立は、毎月5万円という上限が設定されています。
これは、クレジットカードで金融商品を買いすぎることがないよう、投資家を保護する目的で国が決めていることです。
根拠となっているのが内閣府令で、クレジットカードを利用した金融商品の購入が毎月10万円と定められています。
しかし、クレジットカードの場合は、利用と引き落としで時間差があり、次の月の積み立てと重なる場合があることから、月5万円と設定されているのです。
もし5万円以上クレカ積立で投資に回したい場合は、複数のクレジットカードと証券会社を利用することで、実はその上限を超えて投資することもできてしまいます。
家族カードでのクレカ積立はできる?
クレカ積立は家族カードではできません。
投資は、本人名義で本人の資金で行うことが原則です。ポイントを貯めたい、積立額を増やしたいといった理由で家族カードも使いたいという方もいますが、残念ながら家族カードでの積立はできません。
贈与となってしまうため贈与税が発生する可能性や、損失が発生した場合に家族間であれ揉める可能性があるためです。
もし家族カードで積立を行いたい場合は、家族名義かつ家族の口座から資金が出る別のカードを作る必要があります。
クレカ積立の始め方は?
クレカ積立が可能なクレジットカードと証券会社の組み合わせを選んだら、まずはカードの発行と証券会社の口座開設をしましょう。
通常1週間程度でどちらも完了するため、その後は証券会社でのクレカ積立の利用手続きをします。
そして毎月いくら積み立てるのか、どの商品を購入するのかを決めます。
基本的にはそれだけで手続きは完了です。あとは自動的にクレジットカードの利用代金から積立投資が始まります。
注意点として、もし、つみたてNISAやNISAを利用する場合はその口座開設も証券会社でしなければならないことです。
つみたてNISAとNISAは併用可能ですが、一人につき一つの金融機関でしか開設できないため、複数の証券会社で利用することはできません。
具体的なクレカ積立の利用方法については、各社わかりやすく説明されているため、各ウェブサイトをご覧になって進めてください。
まとめ
クレカ積立は、手軽で便利な投資方法ですが、クレジットカードの利用による限度額や手数料などのデメリットもあります。
クレジットカードを利用した投資を考えている場合は、メリットやデメリットをよく理解し、自分に合ったクレジットカードを選ぶことが大切です。
クレジットカードは、ポイント還元率や特典、手数料、自分のライフスタイルなどを総合的に考慮して選ぶことが大切です。
クレカ積立を始める前には、自分の目標やリスク許容度などを考え、計画を立てることも忘れずに。
投資家のみなさんにとって、クレカ積立は新たな投資の道となるかもしれません。是非、チャレンジしてみてください!