
日本で生きている以上は必ず払うものと言えば「税金」ですよね。
社会福祉や教育、治安維持に充てられるので(無駄遣いはさておき)、国家として必要不可欠なものです。
ただ、納税って面倒ですよね。分かりづらいデザインの納付書を判別して、銀行やコンビニに持って行って、ATMでお金をおろして…etc
そんな方にお勧めなのが「クレジットカードで納税する方法」です。
今回は、クレジットカードで税金を支払う3つの方法や支払える税金の種類、クレジットカード納税のメリット・デメリット、おすすめのクレジットカードをご紹介します。
クレジットカードで納税ってできるの?
結論から言うと、クレジットカードで納税は可能です。
クレジットカード納税はあまり世間に浸透しているとは言えませんが、銀行やコンビニにわざわざ納付書を持って行かなくても、自宅で納税できるんです!
クレジットカードで納税できる税金の種類
クレジットカードで納税可能な税金の種類は、申告所得税や復興特別所得税、法人税、相続税に贈与税など27種類の国税。
さらに地方公共団体によっては住民税などの地方税についてもクレジットカードで納付できるところも増えています。(クレジットカードで納税できる税金の種類は地域ごとによって異なります)
大まかに3種類のカード納税方法がある
現金ではなくカードでクレジットカードで税金を支払う場合、大まかに分けると下記の3つの方法があります。
- 国税クレジットカードお支払いサイト
- Yahoo!公金支払い(※2022年3月をもって終了)
- nanaco×セブンイレブン
それぞれの納税方法の特徴や注意点をみてみましょう。
1.国税クレジットカードお支払サイト
国税クレジットカードお支払サイトは納付受託事務を担っているトヨタファイナンス株式会社が運営しているWEBサイトです。
このサイトでは納付情報およびクレジットカード情報を入力することでクレジットカード納付手続きが24時間可能です。
国際ブランドもVISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBICCARDと幅広く対応しています。
国税クレジットカードお支払サイトでの納付手続きの手順は次の通りです。
- 納付情報等の入力(氏名・住所・郵便番号・電話番号・整理番号・納付先の税務署・税金の種類・税額・課税期間・課税区分など)※1
- クレジットカード情報等の入力(カード番号・有効期限・支払方法・セキュリティコード)
- 納付手続き完了メールの送信先アドレスの入力(任意ですが、納税証明のためにも入力をおすすめします。)
- 納付手続きの確定(納付ボタンを押すと納付手続きが確定となり、取り消しができません)※2
- 手続きの完了(納付手続きが確定すると納付手続きの完了ページが表示されます。)
※1…誤りをなくすため、納付通知書を見ながら丁寧に入力しましょう。
※2…確定後にミスを見つけた場合は速やかに管轄の税務署に連絡をしましょう。
国税クレジットカードお支払サイトから納付可能な国税の種類 |
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申告所得税及復興特別所得税、消費税及地方消費税、法人税、法人税(連結納税)、地方法人税、地方法人税(連結納税)、相続税、贈与税、源泉所得税及復興特別所得税(告知分)、源泉所得税(告知分)、申告所得税、復興特別法人税、復興特別法人税(連結納税)、消費税、酒税、たばこ税、たばこ税及たばこ特別税、石油税、石油石炭税、電源開発促進税、揮発油税及地方道路税、揮発油税及地方揮発油税、石油ガス税、航空機燃料税、登録免許税(告知分)、自動車重量税、印紙税 |
執筆時とは異なる可能性もあるため、詳しくは国税クレジットカードお支払いサイトをご覧ください。
国税クレジットカードお支払サイトでは以下のような決済手数料がかかります。
納付税額:1円~10,000円 | 83円(税込) |
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納付税額:10,001円~20,000円 | 167円(税込) |
納付税額:20,001円~30,000円 | 250円(税込) |
納付税額:30,001円~40,000円 | 334円(税込) |
納付税額:40,001円~50,000円 | 418円(税込) |
以降10,000円ごと | 83円(税込)が加算 |
国税クレジットカードお支払サイトは、納税の度に同じ手続きを行う必要があります。
一度クレジットカード情報を登録すると翌年度も自動的に納付ができると思ってしまいがちですが、可能なのは一部の自治体における地方税だけです。
2.Yahoo!公金支払い
Yahoo!公金支払いは、国税やふるさと納税などの税金や水道料金、NHK受信料などの各種公共料金をYahoo! JAPANのウェブサイト上で支払えるサービスです。
クレジットカードの他に、Vポイントでも支払いできる点が大きな特徴ですね。
Yahoo!公金支払いには以下の二種類の支払い方法があります。
- 都度払い:支払いの度に手続きして支払う方法。税金やNHK放送受信料、水道料金の支払いが可能。
- 継続払い:予め支払い方法などを指定しておくことで次回以降の支払いを料金確定後、自動的に支払うことが可能。
ついに税金の支払いもクレジットカードで自動決済が…!と思いきや、継続払いで利用できるのはNHK放送受信料や水道料金といった支払いのみで、税金は都度払いのみとなります。
税金の支払いに利用可能な都度払いの支払い手順は下記のとおりです。
- Yahoo! JAPAN IDでログイン(TポイントやYahoo!ウォレットに登録したクレジットカードで支払う場合は必須)
- 支払う税金や料金を選択(Yahoo!公金支払いトップページから都道府県や税目・料金名から地方公共団体のページに移動)
- 決済手数料や注意事項などの確認(各地方公共団体の「支払い手順」のページが表示されるので決済手数料や納付通知書および注意事項を確認)
- 確認後、「手数料・注意事項を確認の上、同意する」の場所にチェックを入れ、「お手続きはこちら」をクリック
- 納付情報を入力したら「次へ」をクリック
- 支払方法の選択、クレジットカード情報を入力※1
- 確認ページで最終確認
- 「支払う」をクリックし、入力したメールアドレス宛に支払い完了メールが届けば手続き完了
※1…「お支払い情報入力ページ」の「お支払い区分」で支払回数(一括払い・分割払い・リボ払い)の指定ができます。(ただしクレジットカードによっては分割払いやリボ払いが選択できないものもあります。)
Yahoo!公金支払いで利用できるクレジットカードブランドと利用可能な支払いの種類や分割回数をまとめると下記のようになります。
JCB | 一括払い・リボ払い・分割払い(3・6・10・15回) |
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VISA | 一括払い・リボ払い・分割払い(3・6・10・15回) |
Mastercard | 一括払い・リボ払い・分割払い(3・6・10・15回) |
American Express | 一括払い・分割払い(3・6・10・15回) |
Diners Club | 一括払い・リボ払い |
Yahoo!公金支払いで納付可能な税金や公共料金の種類 |
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自動車税、軽自動車税、固定資産税、住民税、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料、個人事業税、不動産取得税、法人市民税、事業所税、市たばこ税、ふるさと納税、水道料金、ガス料金、NHK放送受信料 |
執筆時とは異なる可能性もあるため、詳しくは国税クレジットカードお支払いサイトをご覧ください。
3.nanaco×セブンイレブン
https://www.nanaco-net.jp/index.html
電子マネー・nanacoで納税できるの?と感じた方も少なくないでしょう。あまり多くの方に認知されていませんが、nanacoは使い方によっては非常にお得です。
nanacoへのチャージと言えば、下記のような理由からクレジットカードがお得ですよね。
- nanacoへのチャージでクレジットカードポイントが貯まる
- 実際の支払いはカードの決済日になるため、手元に現金がなくても支払える
nanacoチャージと相性の良いクレジットカードはここでは割愛しますので、興味があれば下記記事をご覧ください。
nanacoにチャージできる上限額は5万円(厳密にはセンター預かり分に最大5万円ストックされるので10万円)なので、大きな金額の納税や複数の支払いでチャージ上限を超過する場合は、複数のnanacoが必要になります。
nanacoで納付可能な税金や公共料金の種類 |
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住民税、所得税、固定資産税、相続税、贈与税、自動車税、国民健康保険料 |
- nanacoポイントは貯まらない(通常は税別100円利用ごとに1nanacoポイントが貯まりますが、税金や国民健康保険料の支払いはポイント付与の対象外)
- nanacoチャージをしてもポイントが付与されないクレジットカードもある
- nanacoモバイルではクレジットチャージが使えない(クレジットカードチャージに対応しているのはあくまでもカード型のnanaco)
クレジットカードで納税するメリット
税金をクレジットカードで払いたい人は多いため、そのメリットもご存じかもしれません。
一応、メリットをおさらいしておきましょう。
クレジットカードの付与ポイント分を節税できる
クレジットカードで税金を支払うと、その分もポイントを獲得できるため結果的に節税になります。
クレジットカードによってポイント還元率は異なりますが、通常の決済と同様にポイントが加算されるものも多い上に、れっきとしたカード利用になります。
- 一定額以上使えば○○ポイントプレゼント
- 一定額以上使えば翌年度の年会費が無料
などなど、クレジットカードによっては利用額に応じたキャンペーンなどもありますよね。
税金の支払いは少なくない金額なので、単純なポイント付与に留まらず利用に応じたボーナスポイント獲得なども視野に入れれば大きなメリットになります。
銀行窓口などに行く必要がない
税金の種類によって納付時期も異なるため、その都度銀行の窓口やコンビニに納付書を持って行って…というのは時間も手間もかかりますよね。
仕事で忙しく、ついつい納付期限日を過ぎてしまう可能性も出てきてしまいます。
現金で納付する場合は時間的な負担と納付期限日を意識しなければならないことを考えると、クレジットカードでの納付は便利な方法ですね。
クレジットカードで納付する場合には24時間手続きが可能なのもメリットと言えます。
納付書の管理が楽になる
税金ごとに納付書が届くので管理が面倒…と思いませんか?
「あの税金の納付書はどこにしまったっけ…?」「あ、これはもう払い終わったやつだった…」とわからなくなってしまうこともありますよね。
クレジットカード納付なら、紙の納付書の管理の手間も減ると言えるでしょう。
分割払いやリボ払いもできる
税金をクレジットカードで納付する場合、必ずしも一括で支払う必要はありません。
支払い回数などの詳細はクレジットカード会社によって異なるので各会社に確認が必要ですが、基本的には一括払い・分割払い(3・5・6・10・12回)・リボ払いに対応していることが多いです。
分割払いやリボ払いにすると余分に手数料が…と懸念する方もいるかもしれませんが、延滞するよりはマシになるケースもあります。
仮に50,000円の税金を楽天カードで分割払い(5回)の時にかかる手数料、5カ月延滞した場合の延滞税額は次のようになります。
- 楽天カードの分割手数料:1,700円
- 滞納でかかる費用:2,100円
「今は余裕がない…」と現金で一括納税ができずに滞納するよりは、クレジットカードで納税してしまうのもおすすめです。
クレジットカードで納税するデメリット
クレジットカードでの納税はいいこと尽くし!ではありません。やはりデメリットもあります。
カード決済手数料がかかる
クレジットカード納付は納付金額に応じて異なるカード決済手数料が発生します。
現金での納税時には発生しない手数料なので無駄な出費が増えるように思う方もいるかもしれません。
しかし、クレジットカード会社によって異なりますがカード決済手数料よりも獲得ポイントの方が大きくなる場合もあるため、必ずしもクレジットカード納税が損になるとは限りません。
納税証明書の発行に時間がかかる
クレジットカード納付のふたつ目のデメリットは「納税証明書の発行に時間がかかってしまう」という点です。
直接所轄の税務署の窓口で納付した場合には早ければ即日、納税者名義の銀行口座から口座引き落としによって振替納税する場合は口座引き落としから納税証明書の発行が可能になるまでおよそ一週間程度と、いずれも比較的早く発行することが可能です。
しかしクレジットカード納付の場合は納付済みの納税証明書の発行が可能となるまでに少なくても3週間ほど時間がかかります。
すぐに納付書が必要な方にとっては大きなデメリットとなる可能性があるので注意してください。
銀行口座からの振替納税やクレジットカード納付の場合には領収書が発行されません。
クレジットカード納付の場合は手続き完了後に送られてくる納付手続き完了メールが納付を証明するものにはなりますが、領収書という形にこだわる方には向きません。
税金の支払いにおすすめのクレジットカード5選
クレジットカード納付には「決済手数料」がかかります。手数料が気になる場合はそれを相殺、あるいは上回るポイント還元率を誇るクレジットカードがおすすめです。
国際ブランドはほとんど対応しているため気にする必要はありません。
今回は「税金の支払い」に限らず、下記の点を重視して5種類のクレジットカードを選びました。
- ネットでの買い物や普段のショッピングで利用してポイントがしっかり貯まる「高還元率」
- 二枚目以降のサブカードとしても検討できる「年会費無料」
- ポイントが貯まり、使いやすい仕組みが整っていること
PayPayカード
PayPayを利用している人、ヤフオクやYahoo!ショッピングを利用する人は必携と言えるクレジットカード。
- 節約◎
- 電子マネー
- 買い物
- 初めて◎
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
0円 | 0円 | 1~5% | なし |
PayPayカードはPayPayカード株式会社が発行する年会費永年無料のクレジットカードです。
カード決済200円ごとに最大1.5%※のポイント、Yahoo! JAPANショッピングやLOHACOでカード決済をした場合には3倍のポイントが付与されます。
普段のお買い物の際に貯まったポイントを全国のPayPay加盟店で利用できたり、逆にお店で溜めたポイントをYahoo! JAPANでもスムーズに利用できます。
年会費無料でポイントもしっかり貯まる高還元率のクレジットカードなので、クレジットカード納税をしたい方にもおすすめの一枚です。
※PayPayカードをPayPayアプリに登録およびPayPayステップの条件達成が必要。
リクルートカード
1.2%の驚異的な還元率。電子マネーへのチャージも最強クラス。ホットペッパーなどを使う人も必携の一枚。
- 高コスパ◎
- スピード発行
- 海外
- 電子マネー
- 買い物◎
- 初めて
- ステータス
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
初年度年会費 円 | 通常年会費 円 | 1.20~3.20% | なし |
リクルートカードも年会費無料なのに、通常のお買い物および携帯電話料金や光熱費の支払いでもポイント還元率が驚異の1.20%を誇るクレジットカードです。
カード利用で貯まるリクルートポイントはリクルート系サービスでしか使えませんが、Pontaポイントへ等価交換することで使い道が広がります。(Pontaポイントはdポイントへも交換可能)
「月に3万円まで」という改悪はありましたが、nanacoチャージでもポイント付与されるのでnanaco納税にもおすすめです。
年会費無料カードなのに国内外の旅行保険も付帯されているため、メインカードに挙げる人も少なくない一枚です。
楽天カード
年会費無料、買い物する度ポイントがどんどん貯まって使い道も無限大。 圧倒人気のオールマイティカード。
- 節約◎
- 電子マネー
- 買い物◎
- 初めて
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 1.00~3.00% | ![]() ![]() ![]() |
大人気のクレジットカードと言えば楽天カード。年会費無料でポイント還元率も1.00%と高水準。さらに楽天関連サービスの利用でポイントが面白いほど貯まるのが魅力です。
楽天カードを持っていなくても、楽天を利用したことある人は多くいると思います。納税によっても楽天スーパーポイントを貯められるので、楽天ユーザー必携の一枚ですね。
dカード
ローソンで5.0%を始め多数の特約店を持つオトクな年会費無料カード。docomoユーザーならさらに◎。
- 節約◎
- 電子マネー
- 買い物◎
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 1.00~5.00% | ![]() |
dカードは初年度の年会費が無料、翌年以降も前年度に一度でも利用していれば年会費無料になるクレジットカードです。
ポイント還元率も1.00%と高い水準にあり、共通ポイントの中でもかなり使いやすいdポイントが貯まります。
ドコモユーザーなら持っていて損はない一枚ですが、dポイントの大衆化も考えるとドコモユーザーに限らず持つ価値はゼロではありません。
クレジットカード納税でも100円ごとに1ポイント貯まるので、現金で納税するよりもお得ですね。
オリコカードザポイント
年会費無料でAmazonにも◎。サービスよりもポイント還元率に強みのある、iDとQUICPayをダブル搭載した稀有な一枚。
- 節約◎
- 電子マネー
- 買い物◎
初年度年会費 | 2年目~年会費 | 還元率 | 電子マネー等 |
無料 | 無料 | 1.50~2.50% | ![]() ![]() |
オリコカードザポイントは高還元率カードとして有名なクレジットカードです。
年会費無料で還元率は最低1.00%(新規入会後最初の6カ月間は2.00%)、家族カードやETCカードも年会費無料と高水準な一枚ですね。
もちろん税金の支払いに限らず、普段の買い物利用におすすめな一枚です。
ネットショッピングに関して言えば、経由することでポイントがざくざく貯まる「オリコモール」なども便利です。
まとめ
いかがでしたか?今回は、クレジットカードで税金を支払う3つの方法や支払える税金の種類、メリットとデメリット、そして納税におすすめなクレジットカードをご紹介しました。
「クレジットカードで納税した」という声を家族や周囲の人から聞いたことがない方も多いかもしれません。年々支払い可能な税金の種類は増加傾向にありますが、なかなか世間に浸透しているとは言い難い状況です。
今回の記事をとおしてクレジットカード納税のメリットに気付いてくれたら嬉しいです。(もちろんデメリットや注意点もあります)