「いつまで経ってもリボ払いが終わらない。もしかして、払い過ぎてる?」
「リボ払いでも過払い金請求できるって聞いたんだけど、本当?」
「過払い金が発生しているのか知りたい」
毎月決まった金額を支払い続けるリボ払い。
2010年以前にクレジットカードのキャッシング機能でリボ払いを利用していた、あるいはキャッシング専用のカードローンで借入れを行っていた方。
過払い金請求をすれば、お金が戻ってくる可能性が高いです。
ちなみに、クレジットカードのショッピング機能でリボ払いを利用している方は、任意整理で将来的に発生する利息をカットできるかもしれませんよ。
今回はリボ払いの過払い金について、請求できる・できないの判断基準、請求する前に知っておくべき注意点やデメリットについて詳しく解説していきます。
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目次
そもそも「リボ払い」とは
リボ払いとは利用件数・利用金額を問わず、毎月一定の額を支払う返済方法です。
利用金額が多くなると利息も多くなるため、毎月払う一定の額から利息に振り分けられる割合が増えていきます。
そもそも、クレジットカードのリボ払いは高金利です。
上記の理由により、利用金額が増えて利息が増えればその分支払い期間が長くなり、「いつまで経っても支払い終わらない」という状況になりやすいです。
※参考:一般社団法人 日本クレジット協会 「リボ払いの特徴と利用上の注意」
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リボ払いでも過払い金請求の対象になることがある
過払い金とは簡単に説明すると払いすぎた利息の事。そして、この過払い金を取り戻すための手続きを過払い金返還請求と言います。
リボ払いで過払い金請求できるのは、以下に該当している方です。
- 「利息制限法」以上の金利で借入れを行っている
- キャッシング枠でリボ払いしている(クレジットカード・消費者金融共に該当)
利息制限法の金利を超えて借入をしていた場合
過払い金は主に利息制限法の金利を超えて借入をしていた場合に発生します。
金利は『利息制限法』と『出資法』という2つの法律によって上限が決められています。
しかし、2010年6月18日まで利息制限法の上限利率(元本に応じて15%~20%)に比べて、出資法の上限利率のほうが高い状態でした(直前は29.2%)。
利息制限法は、当事者の契約の効力について規定するもの。
出資法は、上限を超えて違法な利息での貸付を行う者に刑罰を課すために規定されているものです。
貸金業者は刑罰を受けないために、出資法の規制は守ってはいたものの、利息制限法の上限利率については守っていないという状態でした。
そして最高裁判所は一連の判例で、利息制限法を超える利息(グレーゾーン金利)については無効と判断しました。
「元本(借金)がある場合は元本の返済に充当。すでに完済している、あるいは利息の方が元本よりも多い場合はその金銭を返還すべき」
という判決を下しました。
その後、利息制限法と出資法の上限は20%に統一されたため、2010年6月18日以降、グレーゾーン金利はなくなりました。
つまり、過払い金請求権は、2010年6月17日以前の高い利息での借入をしていた場合に発生しているのです。
リボ払いで過払い金請求の対象になる2つのパターン
過払い金請求できる可能性が高いのは、2010年6月18日よりも前にリボ払いを利用していた場合です。
消費者金融からキャッシング(リボ払い)している
典型的な例としては、消費者金融からグレーゾーン金利で借入をしていて、返済方法をリボ払いにしていた場合です。
消費者金融のキャッシングは、基本的にクレジットカードのリボ払いよりも低金利にしている所が多いです。
しかし、2010年6月以前はグレーゾーン金利でお金を貸していた会社が多いため、過払い金請求できる可能性が高いのです。
クレジットカードのキャッシング枠でリボ払いを利用している
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠があります。
グレーゾーン金利が存在していた時期にキャッシング枠のリボ払いを利用していてた方も過払い金請求できる可能性が高いです。
ちなみに、すでに支払いが終わっていても、最後の取引から10年以内であれば過払い金請求権は有効です。
リボ払いで過払い金請求の対象外になる3つのパターン
一方でリボ払いが過払い金の対象とならないのは次のような場合です。
- 銀行のカードローンを利用していた(いる)
- 2010年6月18日以降にリボ払いを利用している
- クレジットカードのショッピング枠でリボ払いをしている
銀行のカードローンでリボ払いをしている場合
銀行や一部の消費者金融・信販会社ではグレーゾーン金利が存在していた時期でも、低金利で貸し付けを行っていました。
そのため、このような業者からの借り入れだった場合は過払い金が発生する可能性は極めて低いです。
2010年6月18日以降に新規でリボ払いを利用している場合
2010年6月18日以降、グレーゾーン金利はなくなったので過払い金が発生することはありません。
クレジットカードのショッピング枠でリボ払いをしている場合
クレジットカードのショッピング枠のリボ払いについても過払い金は発生しません。
なぜなら、ショッピング枠でのリボ払いは、「借入れ」ではなく「立替え」になるためです。
過払い金請求はあくまで【借金=金銭消費貸借契約】がベースになっています。
クレジットカードのショッピング枠は、立替金という名目のものになるので、利息制限法・出資法の上限利率の規制の対象外です。
そのため、ショッピング枠でのリボ払いでは過払い金が発生することはありません。
リボ払いで発生する過払い金は高額になる傾向がある
実はリボ払いで過払い金が発生する場合、その金額が高額になる傾向があります。
どのような方式によるとしても、リボ払いの場合はその大部分が利息の返済に回されているのが通常です。
過払い金は利息として支払っていた部分が多ければ多いほど発生しやすいため、リボ払いをしていた場合には、過払い金が高額になる傾向があります。
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リボ払いで過払い金発生の可能性があるカード会社はどこ?
- ジャックスカード
- イオンカード
- エポスカード
- オリコカード
- セゾンカード
など
上記以外のカードでも、借入れした時期によっては過払い金が発生している可能性があります。
クレジットカード会社や消費者金融会社のリボ払いで、過払い金発生の有無を判断する基準は主に2つ。
『借入れを行った時期』と『支払った金利』です。
とはいえ、利用から何年も経過していて「いつ頃リボ払いを利用したのか、金利がどの程度だったのかよく分からない」という方も多くいます。
過払い金などの債務整理に関しては、無料相談を受け付けている弁護士・司法書士事務所が多いので、一度専門家の話しを聞いてみるのもおすすめですよ。
楽天カード株式会社
楽天KC(現在は楽天カードに統合されています)でリボ払いを利用していた場合、過払い金が発生している可能性があります。
楽天カードについては利息制限法以上の貸付を行っていないので、過払い金は発生しません。
イオンクレジットサービス株式会社(イオンカード)
イオンクレジットサービスは、グレーゾーン金利での貸付を行っていた時期があります。
そのため、過払い金請求の対象になる可能性があります。
株式会社エポスカード
マルイで作ることが多いエポスカード。
かつてグレーゾーン金利での貸付を行っていたことがあるので、過払い金が発生している可能性はあります。
株式会社アプラス
株式会社アプラスのキャッシングについても、グレーゾーン金利での貸付を行っていたので、過払い金が発生している可能性は高いです。
株式会社オリエントコーポレーション(オリコカード)
オリコカードを発行しているオリエントコーポレーションも、グレーゾーン金利での貸付を行っていたことがあります。
株式会社クレディセゾン(セゾンカード)
セゾンカードを発行していた株式会社クレディセゾンも、かつてグレーゾーン金利での貸付を行っていました。
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リボ払いの過払い金が発生していても請求できないことがある
過払い金が発生しているにも関わらず、請求・回収ができないことがあります。
- カード会社が倒産してしまっている
- 最終取引から10年以上経過している
- 過払い金よりも支払い残高の方が多い
では、1項目ずつ詳しく解説していきます。
カード会社が倒産してしまっている場合
カード会社が倒産している場合、過払い金請求をすることは難しくなります。
カード会社が破産・特別清算をして、完全に消滅しているのであれば、請求自体不可能です。
ただし、単純に倒産ではなく他社と合併している場合は、過払い金の一部を取り戻せる可能性があります。
最終取引から10年以上経過している場合
過払い金請求の法律上の根拠は、民法の不当利得返還請求権です。
不当利得返還請求権は2010年当時の時効に関する法律の規定だと、10年で時効にかかります。
時効にかかってしまっている場合には過払い金の取り戻しを行うことはできません。
過払い金より支払い残高のほうが多い場合
支払い残高がある場合、過払い金は残元金に充当されます。
例)
支払い残高:30万円
過払い金:10万円
→10万円を残高返済に充てて、残元金を20万円にする。
10万円を返金してもらうことはできない。
残額の方が多い場合には、過払い金請求はできません。
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リボ払いの過払い金請求を行う前に知っておくべき注意点
過払い金請求でお金が戻ってくるのは嬉しいですよね。
しかし、過払い金請求にはデメリットもあるので、その点も理解した上で手続きを進めましょう。
- 信用情報(ブラックリスト)に登録される可能性がある
- 過払い金請求を行った会社のカードは使えなくなる
信用情報(ブラックリスト)に登録される可能性がある
すでに返済を終えている、もしくは返済中だけど過払い金で完済できる場合は、過払い金請求を行っても信用情報(ブラックリスト)に登録されることはありません。
ただし、まだ返済を行っている段階にも関わらず過払い金で完済ができない場合は約5年~10年程度、信用情報に履歴が残る可能性があります。
これは債務整理の任意整理という手続きに当てはまってしまう事が原因です。
信用情報に記録が残っている間はクレジットカードの利用や新規作成、新たな借り入れができなくなるので、注意してください。
【債務整理のリスク】ブラックリストに載ってしまう?
過払い金請求を行ったカード会社は利用できなくなる
返済を終えている、もしくは過払い金請求で支払い残高を完済できれば、信用情報(ブラックリスト)に登録されることはありませんが、過払い金請求を行ったカード会社は基本的に利用できなくなります。
ブラックリストでは無いものの、トラブルの発生した顧客と記録されてしまうためが原因です(いわゆる「社内ブラック」)。
クレジットカードが使用できなくなるほか、その会社が賃貸の保証事業を行っている場合は賃貸保証を受けられなくなるので注意が必要です。
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リボ払いの過払い金請求に必要な手続きの流れ
過払い金請求はどのような手続きによって行われるかを確認しましょう。
➀賃金業者へ過去の取引履歴開示を請求
まずは、貸金業者に対して取引履歴の開示を請求します。
具体的な過払い金額を把握するため、借入をしていた貸金業者に残っている取引履歴を取り寄せ、計算を行います。
基本的に貸金業者は取引履歴を開示する義務があるとされているので、開示請求には素直に応じてもらえます。
ただし、あまりにも履歴が古い場合には開示ができない場合があります。
②過払い金の引き直し計算
過払い金の引き直し計算を行います。
引き直し計算とは過去の取引履歴をもとに、利息制限法内の利率での取引に計算しなおした場合にいくらの利息になっているかを計算するものです。
この計算は非常に複雑です。
そのため、名古屋消費者問題研究会(愛知県内の弁護士を中心に組織)のホームページで公開されている「表計算シート」(取引履歴を打ち込むことで計算ができるシート)を利用するのが一番早いです。
➂「引き直し計算書」・「過払い金返還請求書」を送付
貸金業者に上記で作成した引き直し計算書を添付して、過払い金返還請求書を送付します。
実務上本気で請求をする場合には内容証明を使うこともあるのですが、貸金業者は内容証明ではなくても検討はしますので、通常郵便で構いません。
ただし、控えはとっておきましょう。
④和解交渉(任意交渉)
請求書を受け取った貸金業者から返還についての打診がありますので、和解交渉を行うことになります。
主な交渉のポイントは以下の通り。
- 過払い金の返還時期から今までの経過利息を主張するかカットするか
- 過払い金の元金を全額主張するか一部の減額を認めるか
- 返還時期をいつにするか
過払い金請求は満額・経過利息もきちんと取り戻す方針にした場合、裁判で勝訴しても貸金業者に応じてもらえないケースがあります。
そうなってしまうと「強制執行」「過払い金を取り戻せなくなる」「返金までに数年かかる」ことになりかねないため、ある程度は妥協をしたほうが良いです。
どの程度妥協をすれば任意での返還にも応じるかは、貸金業者によっても異なります。
ゼロ和解に注意!
特に残額がある場合なのですが、「支払い残額もゼロにしますので、過払い金もゼロで…」という交渉を貸金業者側からしてくることがあります。
このような場合、実は過払い金が多額に発生している可能性があります。
ゼロ和解をするということは和解契約が結ばれてしまい、以後の法律関係を確定する効力が生じます。
一度ゼロ和解をしてしまうと、あとから過払い金があっても「もうその件は和解で解決しました」ということになってしまいますので注意しましょう。
⑤場合によっては裁判に発展する可能性も
貸金業者から提示してくる金額に納得ができない場合には裁判を起こします。
なお、多くの貸金業者では裁判を起こすと提示してくる金額が変わることが多いです。
そのため、交渉が長期化するようであれば、早めに裁判を起こすことも検討しましょう。
⑥過払い金返還
交渉・裁判で合意した日に過払い金が返還されます。
裁判で勝訴してもなお、相手が任意に応じてこないのであれば強制執行をすることになります。
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リボ払いの過払い金返還請求は弁護士・司法書士に依頼しよう!
リボ払いの過払い金請求については弁護士・司法書士に依頼しましょう。
その理由としては次の通りです。
- 必要書類・手続きを全てお任せできる
- 自分で交渉するよりも好条件で解決できる可能性が高い
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まとめ
本記事では、リボ払いの過払い金請求についてお伝えしてきました。
リボ払いで発生した過払い金は、「過払い金請求」で返金してもらうことが可能です。
ただし、カード会社との交渉や、請求に必要な書類の準備などがあるため、専門知識が必要不可欠。
知識不足の状態で挑むと、過払い金が戻ってこない、希望通りの交渉ができないなどのトラブルに発展する可能性もあります。
弁護士や司法書士事務所では、債務整理に関する悩み相談を無料で行っているところが多いので、まずは専門家のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。
過払い金請求は、弁護士・司法書士に相談をして行うことが望ましいです。
過払い金請求に関するQ&A
契約書(契約が複数ある場合には全ての契約の契約書) 取引明細書 振込明細書
1.取引履歴の開示→引き直し計算
引き直し計算をもとに、借入先に過払い金の返還を請求→和解交渉を行い、和解が成立すれば過払い金が返還されることになります。
弁護士に依頼→過払い金が返還されるまでの期間は合計で3~6ヵ月間となります。
しかし、場合によっては訴訟に発展する場合もあります。ですので6ヵ月~1年間ほど時間がかかってしまうケースもあります。
しかし、借金を返済中に過払い金請求をした場合で、債務が残ってしまった場合には、情報が登録されてしまう場合があります。そうなった場合、信用取引が利用ができなくなります。
過払い金を返還請求すれば、借金が無くなることが分かっている業者に対してのみ返還請求を行うなど、柔軟な対応が可能です。