
iPhoneを使っていて急に「3G通信」になってしまう事があります。
今回は、iPhone3G通信になってしまう原因と、その改善方法を解説します。


これを読めば、iPhoneがふいに3G通信になっても驚かず冷静に対処できるようになりますので、3G通信化でお困りの方はぜひお読みください。
iPhoneの使いこなし力が今より少しだけアップしますよ。
目次
3G通信ってなんだろう?3G通信についておさらい
スマホ利用者には、通信速度が遅いからとまるで3G通信が「厄介もの」「迷惑な存在」のように言われてしまいますが、そもそも3G通信とは何でしょうか。
まずは、「敵を良く知る」という意味で3G通信についておさらいしておきましょう。
3G通信は第3世代の通信規格、日本で一番広い通信エリアを持っている
3G通信の「3G」の意味をご存じでしょうか。
「3G」は、3rd Generationの略語で、日本語では「第3世代の通信規格」という意味です。

携帯電話向けのモバイル通信が誕生してから、通信技術は進化発展を続けていますが、3Gは、その進化過程の3番目の世代というふうに理解すれば分かりやすいかと思います。
iPhoneでは、2011年に発売となった「iPhone 4s」までは3G通信しか利用できませんでしたが、翌2012年発売の「iPhone 5」から、第4世代通信規格の「4G」に対応しました。
その後、4G通信規格でも全国津々浦々への基地局設置によって限りなく100%に近い人口カバー率を達成していますが、3G通信の方が電波が広範囲に届きやすいため、あまり人のいないような僻地では未だに4Gの電波が届かず3G通信のみ可能という場所も存在します。
状況によっては3G通信の方が早い場合もある~あえて3G通信を選択する
「どんな場所でも、どんな条件下でも3Gより4Gの方が速い」とは断言できません。
3G通信での通信速度は数Mbpsから最大でも10~14Mbps程度なので、条件が整えば100Mbpsも可能な4G通信の方が圧倒的に高速通信が可能です。


1つに基地局に多くの端末が接続している=つまり混雑している場合には4G通信と言えども通信速度は大幅に低下してしまいます。
そうなると、ほとんど利用する人がいない3G通信の方が実行速度が速いなんてケースもあり得ます。
モバイル通信は高速道路と同じで、いくら高性能でスピードが速いクルマが走っても道路が混雑して前が詰まっていては速度を出すことはできません。逆に、あまり速くないクルマでも空いている一般道を走った方が速いという場合もあるのと同じです。
平日の昼時の繁華街などで、WEBサイトがずっと動かないといった状況下では、もしかすると3G通信に切り替えた方が速いことがあるかもしれません。
もちろん快適な時の4Gのようにサクサクではなく、渋滞しているよりマシといった程度ですが。
ただし、5G通信に対応したiPhone 12以降のモデルでは、逆に3G通信を使えなくなってしまったので、この裏技は使うことはできません。
3G通信はあまり遠くない将来に停波となりサービスを終了する
こうして、長期間に渡って日本のモバイル通信を支えてきた3G通信ですが、もうすぐサービスがなくなってしまうことはご存じでしょうか。

そうなんです。
実はauは、2022年3月31日をもってすでに3G通信サービスを停波しており、他2社にさきがけて3G通信サービスの提供を終了しています。
NTTドコモは2026年3月末、Softbankは2024年1月に3G通信サービスの終了を決めています。
すでに、3G通信を停波したau/IQmobileでは、3G通信専用のiPhone 4s以前のモデル、音声通話で「VoLTE」(4G通信での通話)ができないガラケーやiPhone 5/5s/5cはau回線を使用できなくなっています。
これらのiPhoneは、SIMロック解除の対象にもなっていないため、au版の3G専用iPhoneと、iPhone 5/5s/5cは使い道がなくなってしまいました。
NTTドコモ・Softbankの停波まではまだ少し余裕がありますが、3G専用端末を使用している方は残り4年弱の間に、最低限4G通信対応端末に切換えておく必要があります。
iPhoneが急に3G通信になってしまう原因と対処法を優先順に解説
iPhoneは常に最適な通信環境を探していますが、では、なぜユーザーにとっては「最適」とは言えない通信速度が遅い状態になってしまうのでしょうか。
以下は、iPhoneが3G通信の状態になってしまった際の、原因と行うべき対処法を優先順に解説しています。
1番目の対処から始めて、該当しない場合は次の項目に進んでください。
3G通信専用端末である~4G通信ができないスマホの場合
前述の通り、iPhoneにも3G通信専用のモデルが存在します。

例えば、あまりスマホやモバイル通信に詳しくない方が、家族や知人からiPhoneを譲り受けた場合、4G通信非対応のモデルである可能性があります。
iPhoneの場合はモデル名で対応する通信規格が明確にわかるのが特徴の一つです。iPhone 4sより数字が小さいモデルは4G通信は利用できません。
ココに注意
対処法① スマホの通信可能な規格を確認する
3G通信しか受信できない場所にいる~4Gの電波が届いていない可能性
こちらも前述の通り、3G通信網は4G通信網よりも広いため、ほとんど人のいない場所(※)などでは、4G通信の電波が届かず、3G通信のみ可能という場所もあります。

こうした3Gの電波しか入らない場所では、4G通信対応iPhoneであっても3G通信となります。
対処法は、4Gの電波が入る場所に移動するしかありません。
※エリアの広さを表す「人口カバー率」でも分かるように、基地局は人の多い場所に設置されます。僻地の観光地・景勝地などには人は住んでいないので4G通信の基地局が設置されていない場合があります。
ココに注意
対処法② 通信エリアを確認し4G通信エリアへ移動する
iPhoneを再起動してみる~何かあったらとりあえず電源を一度落としてみる
4G通信対応のiPhoneで、4G通信エリア内にいるのに3G通信になってしまう場合には、とりあえず「再起動」してみることをおすすめします。

iPhoneでも、Androidスマホでも、他の家電でも、これといった明確な原因がないのに不調になってしまうことは少なからずあるものです。
そうした場合には、一旦電源を切り10~20秒ほどすこし間を置いてから電源を入れ直すことで改善・回復することがよくあります。

出典:Apple(https://support.apple.com/ja-jp/HT201559)
故障か!?と疑って色々対処する前に、まず「再起動」をしてみることをおすすめします。
ココに注意
対処法③ とりあえずiPhoneを再起動してみる
3Gを使用する設定になっていないか~直近でiPhoneのSIMや通信の設定をした場合
3G通信になってしまう前に、iPhoneの設定を行いませんでしたか?

もしかすると誤った設定をしてしまって4G通信が出来なくなっている可能性があります。
心当たりがある場合には、設定を行った際に開いた画面を開き設定に誤りがないかを確認しましょう。
iPhone「設定」→モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」と進み、「4G」を指定しましょう。
ちなみに、iPhone 12以降のモデルでは、「音声通話とデータ」を開いても「3G」の表記が見つからない場合がありますが、これはエラーではありません。iPhone 12以降の場合には3G通信が使用できないため、「勝手に3G通信になる」という症状が現れることはありません。
ココに注意
対処法 ④ 開いた設定画面を再度開いてiPhoneの設定を確認する
4G通信や基地局でに故障・トラブルの発生~4G通信網が正常に機能していない場合
通信キャリアとして4G通信網全体にトラブルが発生している場合や、自分のiPhoneが接続している基地局(アンテナ)だけに何らかのトラブルや故障が発生している場合があります。

機器メンテナンスや基地局の工事や機器交換などが行われている場合、通常通りの通信ができない場合があります。
別スマホ端末をお持ちならその端末にSIMを差換えてみましょう。
別端末で正常に通信できれば原因は端末にありますし、別端末でも同様の不具合が起こるようなら通信網や基地局に原因があると考えられます。
4G通信網全体にトラブルや不具合が発生している場合
通信網全体のトラブルが発生しているケースもないとは言えません。
キャリアの公式ページなどの故障や工事の告知が出る場合があるので確認し、トラブル情報が出ていない場合には、サポートへ連絡してトラブルの有無を確認することは重要です(※)。
※通信網や基地局などの設備に原因があれば、端末は正常である可能性が高いですし、逆に通信網や基地局に問題がなければ、端末の故障や不具合が疑われるので、今後の対処法を決めるためにも原因がどこにあるのかの特定は重要です。
ココに注意
対処法⑤A 公式サイトやサポートなどで通信網にトラブルや不具合が発生していないかを確認
接続している基地局にトラブルや不具合が発生している場合
原因が通信網ではなく、たまたま接続している基地局の工事や不具合によるケースもあります。

基地局単位のトラブルの場合には、他の基地局に接続することで改善する場合があります。
- iPhoneの電源をOFF/ONする(再起動する)
- iPhoneの「機内モード」をON/OFFする
- iPhoneの「モバイル通信」をOFF/ONする
この操作を行うことで、不具合のある基地局との接続が切れて別のアンテナに接続されれば、症状が改善され4G通信が復旧する場合があります。
再び同じアンテナに接続する場合もあるので、復旧しない場合は2~3回繰り返すか、場所を10mほど移動して再接続してみると改善する場合があります。
ココに注意
対処法⑤B 通信網に問題ない場合は基地局に起因する場合もあるので接続する基地局を切り替えてみる
iPhoneの故障~水没でも通信異常は起こり得るので水没インジケーターを確認
水没(水濡れ)によっても通信エラーが発生する場合があります。
洗面所に落とした、洗濯してしまった等の原因が明確な水没ばかりでなく、いつの間にか水没してしまうケースも少なくありません。
- SIMカードの交換をした際にSIMトレーをしっかり戻さなかった
- iPhoneを落とすなどで本体が歪み隙間ができてしまった
- ディスプレイガラスが割れている、見えないヒビが入っている
- 自分や専門家以外が本体を開いたことがある
こうしたことが原因で、テーブルに溜まった冷たいドリンクの結露の水などが侵入するなど、気づかないうちに水没してしまう場合があります。

出典:Apple(https://support.apple.com/ja-jp/HT204104)
iPhoneの「水濡れインジケーター」は、SIMトレースロット内に設置されています。すこし見にくいですが懐中電灯などで照らして、インジケーターが赤くなっていたら水没(つまりiPhone内部に液体が侵入)したことになります。
インジケーターが赤かった場合は、できるだけ速やかにApple正規店や街の修理店などで専門家に診てもらいましょう。
ココがポイント
※強く振ったり熱で蒸発させるなど我流の対応は状況をかえって悪くする可能性があります。専門家に診てもらうまでに時間がかかる場合には、乾燥剤と一緒に袋などに密閉して保存することをおすすめします。
ココに注意
対象法⑥ 水濡れインジケーター の確認~赤くなっていたら専門家の対応を依頼する
全てを行っても原因が分からない場合~専門家に診てもらう
ここまですべての対処法を実施して4G通信が復旧せず、原因も不明の場合には素人が対応できることはありません。
できるだけ早く、AppleStoreや正規店、あるいは街の修理店などで専門家に対応を依頼しましょう。
[/st-cmemo]ココに注意
対象法⑦ Apple Storeまたは正規店、通信会社、購入店、街の修理店などの専門家に任せる
【iPhoneが3G通信に】まとめ~最終的には専門家に診てもらうのが一番
- 3G通信専用端末でないか
- 4G通信エリア外ではないか
- とりあえず「再起動」してみる
- iPhoneの設定がまちがっていないか
- 通信網や基地局などのトラブルや工事が発生していないか
- 別端末で通信してみる
- 端末が水没(水濡れ)していないか
これらを確認することで、軽微な不調は改善される場合があります。
改善されない場合でも、不具合の原因が通信網や基地局にあるのか、端末にあるのかが分かります。
その上で、再起動で状況が回復しない場合には素人にできる対処法はほとんどありません。
通信網や基地局に問題がないのに、原因が分からないまま3G通信が続いたり、水濡れインジケーターが赤色化していた場合には、専門家に任せるしか方法がありません。
代わりの端末があるなど、特に急ぐ必要のない場合にはApple Storeや正規店などへ持ち込むにがおすすめですが、水濡れは一刻を争う場合もあるので、緊急的に街の修理店へ持ち込む方法も「非正規」という理由で排除できない選択肢です。
まずは簡単な対処を行ってみて、専門家にまかせるべきかどうかを判断してください。