iPadは、スマートフォンよりも大きな画面を持つタブレット型のコンピューターです。
使い勝手が異なるため、仕事とプライベートでiPadとスマホを使い分けている人も多いでしょう。
ただ、iPadとスマホを組み合わせて使用する場合には、通信料金が高額になったり、契約期間が制約されるなどいくつかの注意点もあります。
本記事では、iPadを格安SIMでお得に使う方法やおすすめの格安SIM会社、利用する際の注意点などについて解説します。
格安SIMでiPadを使うメリット
まず、iPadを格安SIMで使うメリットを紹介します。
- 月額料金がより安くなる
- ケットWiFiを持ち歩く必要がなくなる
- テザリングが使える
- iPhoneとiPadの2台持ちによりさらに便利になる
メリット①月額料金がより安くなる
格安SIMを使えば、大手通信会社と契約するよりも料金が安くなります。
では、実際に料金の比較をしてみましょう。
キャリア | 容量 | 月額料金(データSIM) |
au | 50GB | 5,280円 |
mineo | 20GB | 1,925円 |
IIJmio | 20GB | 1,950円 |
データ通信量が同じプラン同士を比較すると料金の差は一目瞭然、半額以上安くなるケースがほとんどです。
格安SIMはデータ通信のみの契約ならIIJmioの2GB440円(eSIM)など非常に安い選択肢もあるので、要チェックですよ!
iPadの通信料を低価格に抑えたいなら、格安SIMがおすすめになります。
メリット②ポケットWiFiを持ち歩く必要がない
大手キャリアとの契約ではなく、ポケットWiFiを持ち歩いてiPadを使う人も多いのではないでしょうか?
ポケットWiFiは確かに便利な点も多いですが、荷物になる・料金が高いというデメリットもあります。
格安SIMを使えばいつでもデータ通信ができるため、ポケットWiFiを持ち歩く必要がありません。
iPadひとつで、場所を問わずデータ通信が行えます。
メリット③テザリングが使える
データ通信ができる端末をルーター代わりにし、別の端末でインターネット接続をする行為をデザリングと言います。
大手キャリアだと別途申し込みが必要だったり、料金が追加で掛かる場合もありますが、ほとんどの格安SIMでは申し込みや追加料金は不要でデザリングが使えるため、iPadひとつあれば違う端末でもデータ通信ができます。
パソコンやゲーム機など様々な端末でインターネットを使いたい場合、デザリングが使える格安SIMはとっても便利です。
メリット④iPhoneとiPadの2台持ちによりさらに便利に
iPhoneユーザーであれば、iPadをさらに便利に使えます。
例えばAirDrop機能で、iPhoneで撮影した写真を素早くiPadに転送・編集や閲覧を行えます。
テザリングも、iPhoneがあればiPadの設定画面でiPhoneの名前を選ぶだけですぐ接続完了となるため非常に便利です。
同じAppleのアカウントでログインすることにより、iPhoneで購入したアプリをiPadでも基本的に追加料金無しで使えるといったメリットもあります。
iPadを導入する場合は、スマホもiPhoneに統一するのがおすすめです。
iPadに使えるおすすめ格安SIMランキング
データSIMで契約できる格安SIMは色々ありますが、特におすすめなのは以下の6つです。
- ワイモバイル
- IIJmio
- mineo
- BIGLOBEモバイル
- 楽天モバイル
- povo2.0
それぞれの特徴や料金設定について、ランキング形式で解説します。
【第1位】ワイモバイル
ワイモバイルはソフトバンク株式会社が運営する格安SIMであり、大手通信キャリアのソフトバンクの兄弟分にあたります。
他社の格安SIMより若干料金は高いですが、大手キャリア並に使える安定した通信速度に定評があります。
ワイモバイル料金プラン シンプル2概要 | |||
S | M | L | |
月額料金 | 2,365円 | 2,915円・4,015円 | 2915円・5,115円 |
各種割引適用後料金 (契約翌月以降) |
1,078円 | 1,078円・2,178円 | 1,078円・3,278円 |
データ容量 | 4GB | ~1GB・20GB | ~1GB・30GB |
低速時速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
※表は右にスクロールできます
ワイモバイルでは、主回線を除く2回線目以降のスマホ料金から1,100円割引される家族割引か、ソフトバンク光とセットで利用することで1回線目から1,100~1,650円割引されるおうち割 光セット(A)のいずれかが利用できます。
家族回線が多ければ多いほど割引額が大きくなるので、ワイモバイルは家族利用にもおすすめ・お得な格安SIMといわれています。
またPayPayカードで料金を支払えば、187円の月額割引も受けられますよ。
【第2位】IIJmio
IIJmioはドコモ回線とau回線に対応していて、月額料金が安いデータSIMを展開しています。
そしてiPadユーザーにとって重要なおすすめポイントが、より安価な料金設定のドコモ回線を使ったデータ通信専用の「データeSIM」が提供されていることです。
eSIMとは、SIMカードのデータだけを端末にダウンロードして通信を可能にするサービスで、iPadなら以下のラインナップで対応しています。
- iPad(第7~第10世代)
- iPad mini(第5~第6世代)
- iPad Air(第3~第5世代)
- 10.5インチiPad Pro
- 11インチiPad Pro(~第4世代)
- 12.9インチiPad Pro(第3~第6世代)
IIJmioの月額料金 | ||
容量 | 通常のデータSIM | データeSIM |
2GB | 740円 | 440円 |
5GB | 900円 | 660円 |
10GB | 1,400円 | 1,100円 |
15GB | 1,730円 | 1,430円 |
20GB | 1,950円 | 1,650円 |
eSIMならなんと、2GB月額440円からiPadでの通信が可能になります。
通常のデータSIMより300円お得になるので、安さを重視する方はeSIMを検討してみてください。
【第3位】mineo
mineo(マイネオ)はオプテージが手掛ける格安SIMで、ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアに対応しています。
SIMロックがある大手キャリアのセルラーモデルでも、同じ回線のSIMを選べば基本的にSIMロック解除不要で使えます。
マイネオの月額料金は以下のとおりで、1GB880円などの月額料金でiPadを使えます。
mineoの月額料金 | |
1GB | 880円 |
5GB | 1,265円 |
10GB | 1,705円 |
20GB | 1,925円 |
尚、マイネオで現在動作確認が行われているiPadシリーズは以下の通りです。
- iPad(第4世代~第9世代)
- iPad mini(第1世代~第6世代)
- iPad Air(第3~第5世代)
- 11インチiPad Pro(第1~第4世代)
- 12.9インチiPad Pro(第3~第6世代)
対応するiPadを使っている方は、マイネオ契約時にeSIMを選べばよりお得に通信を可能にできますよ!
20GBのデータSIMが月額1,925円ととくに安価なので、大容量通信をお得に行いたい方にもmineoがおすすめです。
※上記リンクからのみ特典が適用されます
※お試し200MBコース、マイそくスーパーライトは特典対象外です
【第4位】BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルは3GB〜30GBの幅広いプランから選べるのが魅力です。
データ通信のみの契約の場合、3GB990円が最安値となっています。
BIGLOBEモバイルの月額料金 | |
3GB | 990円 |
6GB | 1,595円 |
12GB | 2,970円 |
20GB | 4,950円 |
30GB | 7,425円 |
大容量プランは割高ですが、エンタメフリー・オプションというエンタメ関連の対象サービスの通信量がノーカウントになるお得なオプションを利用可能です!
iPadを使って動画などをよく観る方などは特に重宝をするオプションです。
オプションは月額1,078円で利用できるので、動画や音楽を楽しみたい方はチェックしてみましょう。
【第5位】楽天モバイル
楽天モバイルのデータSIMはデータ無制限で使えるので、タブレットやiPadで大容量通信をする方に最適です。
実は楽天モバイルなら無制限利用でも3,278円、しかも3GBや20GB以下ならさらに安く使えるんです。
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」概要 | |||
月額料金 | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
データ容量 | 3GBまで | 3~20GBまで | 20GB以上 |
通話料 | 国内通話無料(Rakuten Link使用時) 22円/30秒(標準アプリ使用時) |
||
5G対応 | ◯ |
iPadでSIMを使った通信をする機会がそこまで多くない方は、楽天モバイルで回線維持費を毎月最安1,078円に抑えられます。
通常のSIMカードだけでなく、eSIMも利用できるので、eSIM対応iPadを持っているなら契約手続き完了後最短即日ですぐ使い始められるのも魅力です。
たくさん使う場合も楽天モバイルは便利で、楽天回線エリア内・エリア外(パートナー回線のau回線)ともに容量は無制限です。
無制限使い放題をたったの3,278円で使えるのは、楽天モバイルの見逃せないメリットです。
【第6位】povo2.0
povo2.0はauがオンライン申込専用で展開している、格安の料金プランです。
データ通信のみの契約はできず、厳密には音声通話SIMでのみのサービス展開なのですが、iPadでも普通に使えます。(SMSや音声通話はできないので注意)
povo2.0はそもそも月額料金がかからない基本料0円で、半年に1回以上有料のデータ通信などのトッピングを行えば回線を維持可能となっています。
iPadを毎日頻繁に外で使わないような人でも、povo2.0であればかなり低価格から回線を維持できて使いたいときだけ課金できるのが嬉しいです。
例えば月1回だけiPadを外に持ち出すなら、24時間データ使い放題を1回330円で契約すれば月額330円しか費用はかかりません。
格安SIMでiPadを使う際の注意点
格安SIMでiPadを使う場合の注意点をまとめます。
主に大手キャリア版のiPadを使う方は注意が必要、初期設定手続きでも確認しておきたいポイントがあります。
大手キャリアのモデルを他社回線で使う際はSIMロック解除が必要
ドコモ、au、ソフトバンクで購入したiPadは、そのままだと購入先と同じ回線を使っている格安SIMでしか使えません。
iPadを購入したキャリア以外の回線が使われている格安SIMで使いたい場合は、SIMロックを解除しましょう。
ただ、これは2021年9月以前に発売された端末のみです。
SIMロックがかかってる場合は端末代金を完済済みか、クレジットカードで分割購入していればすぐにキャリアのマイページ(My docomo、My au、My Softbank)から解除できます。
口座振替などクレジットカード以外の方法で分割購入中の場合は基本的に購入日から101日目以降になればSIMロックを解除が可能になります。
また中古端末を使うとしても、上記の条件さえ満たしていれば問題なくSIMロックはMy docomo、My au、My SoftBankといったWebサイトから無料で解除できるのでご安心ください。
Androidタブレットはスマホとのアカウント共有ができない
タブレットでも、LINEは利用可能です。
iPadの場合はスマホのアカウントでログインして、2台目の端末として利用可能となっていますし、新規アカウントを作成してSMS等による認証をすることで利用することも可能となっています。(iPadでSMSは使えないので別途用意したスマホなどで使っている電話番号を利用して認証をする必要あり)
Androidタブレットの場合はスマホのアカウントでの同時運用はできないので、スマホからアカウントのデータを引き継ぐ機種変更をするか新規アカウントを作成しての対応となります。
APN構成プロファイルのインストールが必要
iPadに格安SIMのSIMカードを入れても、基本的にはそのままだと通信ができません。
APN構成プロファイルをインストールすることで、通信が可能になります。
Wi-Fiに接続し、契約先の公式サイトなどにある「APN構成プロファイル」のリンクをタップして、ダウンロードしましょう。
あとは設定アプリを開いて、「一般」内の「プロファイル」からプロファイルをインストールすれば通信可能になります。
ちなみに楽天モバイルでは手順が異なり、設定アプリの「モバイル通信」→「APN設定」を開き、「APN」エリアに「rakuten.jp」と入力する設定が必要です。
ちなみに楽天モバイルでは手順が異なり、設定アプリの「モバイル通信」→「APN設定」を開き、「APN」エリアに「rakuten.jp」と入力する設定が必要です。
セルラーモデルか確認する
格安SIMが使えるのはセルラーモデルのiPadのみです。
WiFiモデルのiPadにはSIMカードを挿入できないため、当然格安SIMも使用できません。
iPadがセルラーモデルかどうかを確認する方法は2つあります。
- 端末のスペック説明を確認
- 本体にSIMカードスロットがあるか確認
どちらのモデルかわからない場合は、ショップのスタッフや詳しい人に確認してもらうと安心です。
一部サービスに規制がかかっている場合がある
格安SIMを使ってのデータ通信は、一部サービスに規制がかかっている場合があり、使えない可能性が高いサービスとしてLINEのID検索が挙げられます。
LINEのID検索には年齢確認が必要ですが、一部の格安SIMは年齢確認サービスの対象外です。
このように大手通信会社と比較すると、使えるサービスに縛りがある点に注意しましょう。
動作確認がされている端末か確認する
格安SIMで使う予定のiPadが動作確認されている端末かの確認は大切です。
多くの格安SIM提供会社では、動作確認済みの端末情報をサイト上で公開しています。
動作確認済みの端末であれば心配いりません。逆に動作確認がされていない端末は使えない恐れがあります。
安心して使うためにも、公式サイトで事前に調べておくようにしましょう。
SMS対応SIMを契約しても、SMSは使えない
iPadはデータ通信にのみ対応していて、SMS対応SIMを契約したとしてもSMSの利用はできません。
SMS機能が有料の格安SIMだとSMS対応SIMを選んだら単純に無駄な料金がかかってしまうことになるので、ご注意ください。
タブレット端末のセット販売をしていない格安SIMが多い
格安SIMはiPhoneやAndroidスマートフォンであればセット販売がある会社も多いのですが、iPadなどSIMフリータブレット端末の取り扱いがある選択肢はかなり少ないです。
筆者が確認したところ、IIJmioでは過去にiPadの取り扱いがあったようですが、2023年2月末時点では在庫切れでした。
iPadはApple Storeなどでもセルラーモデルを買えるので、こだわりがなければ端末は自分で外部から用意しつつ使いたい格安SIMを単体で契約することをおすすめします。
データシェア対応の格安SIMは、ワイモバイルなど一部に限られる
格安SIMの中には、親回線と小回線で通信量を共有できるデータシェアに対応するものもあります。
例えばワイモバイルは、データSIM最大3枚を発行して主回線の通信量を共有できます。
ただし実のところ、無理にデータシェアを利用するより普通に単体で安い格安SIMを使ったほうが人によってはお得なこともあります。
例えばワイモバイルのデータシェアは3GBのシンプルSで1,078円、15GBのシンプルMや25GBのシンプルLは539円ですが、IIJmioのeSIMなら2GB440円で運用可能です。
メイン回線が大容量なら対応していればデータシェアもアリですが、小容量ならタブレット側で別途安価な格安SIMを個別に申し込んだほうがお得なケースもあるのでご注意ください。
高速での無制限通信が可能なデータSIMは基本的にない
楽天モバイルやpovo2.0は高速での無制限通信対応ですが、音声通話SIMのみでの提供です。
安価なデータSIMかつ無制限の高速通信が可能なサービスは、2023年時点だととくにありません。
強いて言えばmineoの10GB+パケット放題Plusは1,705円で1.5Mbps使い放題&高速通信10GBとなっていてそこそこ安いですが、使い放題運用中はHDなどの高画質動画や大容量アプリのダウンロードなどがしづらい点に注意しなければいけません。
まとめ
今回は、iPadを格安SIMで使うのがオススメである理由や、オススメの契約先などについて解説しました。
最後におさらいをします。
- ワイモバイル(家族割引またはおうち割 光セット(A)、PayPayカード割適用で4GB1,078円)
- IIJmio(eSIMなら2GB月額440円)
- mineo(トリプル回線対応でSIMロック解除不要)
- BIGLOBEモバイル(エンタメフリー・オプションで通信量ノーカウント)
- 楽天モバイル(3GB未満なら1,078円、20GB以降は使い放題で3,278円)
大手キャリアのタブレット向けプランは使い勝手が悪かったり料金が高い傾向にありますが、格安SIMなら単体で決まった容量を利用可能、料金も安くてお得です。
今回の解説を参考に、格安SIMでiPadの利用を検討してみてください。