生活に必要な費用を賄うために、少額を借りたつもりが、気づいたら毎月借入を行なったことで、知らずに大きな借入総額になっていることは決して珍しくありません。
また、多額の借入を行なっている方に共通する点として、複数業者から借入を行なう「多重債務状態」になっていることがほとんどです。
複数の会社から借入を行なっていると、返済に掛かる手間も増えてしまうため、できれば1社にまとめたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、「借金を一本化する」ことで得られるメリットとデメリット・おまとめローンを選ぶポイントなどを総合的な視点で解説します。
- 複数社からの借入があり、借金一本化で得られる効果を知りたい
- 借金を一本化することで生活がどう変化するのかを学びたい
- 借金を一本化する上でおすすめのおまとめローンを知りたい
以上に少しでも当てはまる方は、ぜひご覧下さい。
目次
借金の一本化(おまとめローン)とは
「借金の一本化」は、複数社から借入を行なっている「多重債務」に陥っている方が銀行などから低金利で貸付を受け、そのお金を利用して他の貸金業者への借入を完済、借金を銀行に一本化する行為を指しています。
消費者金融においても大きな金額の貸付においては低金利で行う場合も多いため、毎月の支払い負担を減らす効果的な方法として知られています。
借金一本化と借り換えの違いとは?
「借り換え」と「借金一本化」は同じ意味として混同されがちですが、厳密には意味が異なります。
「借り換え」とは、ある会社からの借入を、別の貸付条件の良い会社に変更することです。
具体的に言えば、もしA社から金利18%で借入を行なっていた場合、B社が金利16%であれば、B社からの借入金でA社の借入を返済すると、利息を減らすことができます。
「借金一本化」と「借り換え」はどちらも借入先を変えていますが、「1社からの借金を別会社からの借金に変える」ことが「借り換え」、「複数者からの借金を1社の借入にまとめる」ことが「借金一本化」です。
借金一本化と債務整理の違いとは?
債務整理は借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりする等、法的手段を通じて借金のある生活から解放されるための手続き全般を指します。
「借金一本化」では利息・元本の支払いは必ず発生しますが、債務整理を行うと「利息支払いの免除」「元本の減額・支払い免責」などが一般的です。
比較してみると「債務整理」を利用すれば、大きなメリットと得られそうですが、「5年〜10年程度ブラックリスト入り」などのデメリットもあり、あくまで最終手段という考えを持っておくべきでしょう。
借金一本化で得られる5つのメリットとは?
「おまとめローン」も当たり前のように生活に普及していることから見ても、「借金一本化」は多くの方が利用しています。
この項目では、実際に得られる5つのメリットを見ていきましょう。
(1)返済に掛かる作業時間削減
複数社から借入を行なっている場合、各会社の返済期日を把握しなければなりません。
また返済方法にも借入を行なっている会社で差が生まれることもあり、いくつかのATMをハシゴしなければならない事態も発生します。
複数の支払い管理が難しくなり、返済日に支払いが遅れてしまうと、利息とは別に遅延損害金が発生してしまうリスクも考えなければなりません。
借金を一本化することで、返済期日・返済方法も全て1社に統一されるため、返済を行う上で考えることが大きく減ることが期待されるのです。
(2)毎月の返済額減少
低金利のローンに借入をまとめることによって、返済金額の負担を軽減できる場合があります。
長期間、借入を行なっている会社などが複数ある場合に、低金利なおまとめローンに一本化することで毎月の負担が減少する可能性は多いにあるのです。
普段の生活を少しでも楽にしたい場合には、検討する余地があるでしょう。
(3)借入金額に対する金利低下
例えば、「60万円・年利18%」「120万円・年利15%」「80万円・年利15%」の借入を行なっていた場合、借入期間を変えずに「260万円・年利13%」などでまとめた場合に、金利負担が軽減するのです。
しかし、金利負担が軽減するとは言っても、借入条件などによっては負担が大きくなる場合もあります。
まずは、現在支払っている利息の支払い総額を試算することからスタートしましょう。
(4)総量規制の影響を受けない
総量規制とは、貸金業者から借りられるお金の総額上限を規制する法律です。
2010年6月に完全施行された貸金業法で制定されており、「貸金業者が行う貸付は、ご本人の年収の3分の1を超えてはならない」と記載がされています。
つまり、お金を借りる側は「年収の3分の1までしか借りられない」ということです。
しかし、おまとめローンは複数の金融機関からお金を借りている人や、多額の借入金を抱えている人を救済することが目的となったプランとなります。
通常の借入よりも低い金利が適用され、貸金業者が取引における利益を目的としていない貸付であるため総量規制の対象外として認められているのです。
(5)ブラックリストに掲載されない
「借金一本化」を行なった場合でも、ブラックリストに掲載されない点もメリットです。
「ブラックリスト」とは、債務整理を利用するなどして、信用情報に事故情報が登録されている状態のことを指します。
事故情報が登録されてしまうと、「新たな借入ができない」「クレジットカードが作れない」「第三者の保証人になれない」等の不利益を5年から10年に渡って受けなければなりません。
借金一本化によって影響する5つのデメリットとは?
「借金一本化」によって得ることができるメリットを解説してきました。
次に、借金一本化を行うことによって影響する5つのデメリットを見ていきましょう。
どのような行為にも、メリットとデメリットは必ず存在します。
聞こえの良いメリットだけではなく、デメリットなどもしっかりと加味した上で、実際に「借金一本化」を行うかを判断することが大切です。
(1)返済期間の増加
もし低金利な借入先で借金を一本化して、月々の返済金額を減らすことを目的にした場合、借入期間を長く設定すれば、返済期間は増加します。
具体的には3社から10万円ずつ借りており、月々1万円返済している方が、1社に30万円をまとめ月々5000円ずつ返済する形にまとめると支払い期間は後者の方が長くなるのです。
(2)審査に通らない可能性がある
おまとめローンを利用するに当たっては金融機関の審査が必要となります。
しかし、低金利で借入を行えるメリットがあるため、審査基準は厳しめになるのです。
そもそも、おまとめローンの場合には借り入れる金額自体が大きくなるため、金融機関側もお金を貸す上で大きなリスクを伴うことを覚えておきましょう。
(3)まとめたことで総返済額が増加する可能性もある
おまとめローンを利用して、低金利で借入を行えたとしても、返済期間が長くなってしまえば最終的に支払う必要のある利息は大きくなります。
借金を一本化する上では、最終的な支払い総額や毎月の返済金額はいくらになるのか、収入と支出のバランス、ボーナス返済の有無などを加味しながら適切な返済計画を立てることが求められます。
(4)融資までのスピードは期待できない
消費者金融における一般的なフリーキャッシングでの借入の場合、即日融資などを売りにしている場合が多いです。
実際にお金を借りる場合は、緊急を要する場面がほとんどであることから、審査から借入までのスピード感は利用者にとってはサービスを選ぶ上でも大切な指標となります。
しかし、おまとめローンに関しては「即日融資」などのスピード感のある手続きは期待できません。
おまとめローンに関しては、借金を一本化するにあたって借入金額が大きくなる場合がほとんどであるため、より慎重な審査が求められるのです。
「今すぐにお金が必要」という方には、おまとめローンは向いていません。
(5)借入先が多すぎると審査に響く場合がある
おまとめローンを利用する場合に、「複数者から借入を行なっている状態」だと審査に通りづらくなります。
「借入先が多いから一本化したいのに、借入先が多いと審査に落ちる」という点に違和感を感じるかもしれません。
しかし、借金を一本化するに当たって大きな金額を貸し付けることから、どうしても審査が慎重になりがちです。
あまりにも複数社からお金を借りていると「返済能力が低く、お金に困っている」と判断されてしまうことから、借入先をむやみに増やさないことが求められます。
おまとめローンを選ぶのに押さえておきたい3つのポイント
おまとめローンを利用する上で得られるメリット・デメリットをそれぞれ解説しました。
ここまでで「借金一本化」の特徴を深く理解できたと思いますが、次に実際に商品を選択する上で押さえておきたい3つのポイントを説明します。
(1)金利
おまとめローンを利用する上で、事前に金利の確認が最重要となります。
おまとめローンを利用するとこで軽減できる利息は、金利差が大きく影響するからです。
元々契約していた借入の金利が、おまとめローンの商品よりも低い場合には、おまとめローンを利用することで利息負担が増える可能性があります。
また、低金利のおまとめローンを利用して月々の返済金額を減らした場合には、借入期間が長期化し、最終的に支払総額が増えてしまうのです。
あらゆる状況を想定して、金利比較以外にも返済期間なども加味しながら計画を立てましょう。
(2)追加の借入れ可否と利用条件
おまとめローンは利用者の確実な返済を目的としているため追加の借入ができない商品設計になっている場合がほとんどです。
ただ、追加で借り入れが可能なおまとめローンを取り扱う金融機関も存在します。
また、前述したようにおまとめローンは「利用者に一方的に有利な借り換え」に該当するため、総量規制の対象外です。
しかし、借り入れられる金額に制限はないものの、追加借り入れは審査基準が厳しくなります。
自身の状況を踏まえながら、追加借り入れが可能かを知っておくことも大切です。
(3)おまとめローン詐欺に注意
数多くの会社が「おまとめローン」を発表していることに乗じて、借金一本化に関連するサービスを装った詐欺も増加傾向にあります。
具体例として、申込みの際に利息の先払いを要求されたり、高額な手数料を請求されたりする等です。
まずは自分が取引している会社が、金融庁の「登録貸金業者情報検索」に登録されている業者がどうか、登録内容に誤りがないかを確認しましょう。
おまとめローンを利用するために、「信頼できる金融機関や貸金業者選び」は大切なポイントです。
信頼できる会社、自分に最適な商品を正しく選択することで、安全で無理のない借り入れ・返済を実現できることを知っておきましょう。
借金を一本化するためにおすすめしたいおまとめローン5選
ここまでは多数ある「おまとめローン」の中で、実際に商品を選択するポイントについて解説してきました。
次に、借金を一本化するためにおすすめしたい「おまとめローン」を5つご紹介します。
(1)アコム 貸金業法に基づく借換え専用ローン
大手消費者金融・アコムが提供している「おまとめローン」商品が「貸金業法に基づく借り換え専用ローン」です。
- 金利:年7.7%〜18.0%(限度額100万円以上:年7.70%〜15.00%)
- 限度額:300万円
- 追加借り入れ可能か:できない
- 返済額を変更可能か:できない
- 返済方法:口座振替のみ
- 借りたお金の使い道:他社返済のみ
- 総量規制(年収規制):対象外
アコムの「おまとめローン」は追加借入を行なっていないため、無駄なお金を借りることがなくなります。
「返済専用ローン」となることから、金利を下げながら無駄なく完済に迎える点が大きな特徴です。
返済日も全て毎月1日にまとめられることから、一本化する前に支払っていた各社への返済手数料もなくなります。
複数の消費者金融から上限金利である18.00%で借入を行なっている方は、検討する余地があるサービスです。
(2)楽天銀行 スーパーローン
インターネット関連サービスを中心に、さまざまな事業を展開しているネット銀行が提供するローン商品です。
おまとめローン専用商品ではないですが、融資上限額が800万円と大きく、使い道も自由(事業性資金を除く)である点も特徴となります。
- 最高金利:利用限度額10万円以上100万円未満で年14.5%
- 限度額:最高800万円
- 追加借入可能か:可能(審査によっては減額可能性あり)
- 返済額を変更可能か:できない
- 返済方法:インターネット返済・ATM返済・口座自動振替
- 借りたお金の使い道:自由(事業性資金を除く)
楽天銀行スーパーローンでは新規入会で楽天ポイントが1,000ポイントもらえる特典があります。
また、銀行系のローン商品であることから、消費者金融が提供するローン商品と比較しても金利の見直しにおすすめである点もおすすめです。※契約条件によっては支払総額が見直し前よりも増える可能性があります。返済シミュレーションで比較検討のうえ申込ください。返済シミュレーションはこちら
(3)労働金庫提供のカードローン
労働金庫とは、主に労働組合が中心となって、資金を出し合いながら作られている金融機関を指します。
提供しているサービスは「口座を作成して貯金」「ATMで口座からお金を引き出し」「振込」「住宅ローンやカードローンで借入」など一般的な銀行の機能とほとんど相違ありません。
労働金庫は全国に14箇所存在しており、1地域に1つの労働金庫しか存在していません。
地域ごとに提供しているカードローンサービスも異なるため、居住地・勤務地エリアにある労働金庫でどのような商品を提供しているかチェックする必要があります。
労働金庫提供のカードローンには主に以下の特徴があります。
消費者金融・一般銀行のおまとめローンよりも金利が低い
労働金庫が提供するおまとめローンは、上限金利がいずれも8%を下回っています。
それと比較して、アコムなどの消費者金融のおまとめローンの上限金利は15%〜18%台。
一般銀行のローン商品でも上限金利15%代が一般的であるため、圧倒的に低金利であることが特徴です。
総量規制の対象外
労働金庫のおまとめローンは総量規制の対象外となっており、年収3分の1以上でも借入が可能です。
団体会員は金利面で更に有利
もし自身が労働組合や生協に所属する団体会員であれば、一般勤労者よりも0.5%程度の金利優遇が受けられます。
返済利息を更に抑えられる点は、大きな魅力と言えるでしょう。
労働組合・生協所属でないと利用しづらい
自身が団体会員であり、融資を受ける際に所属する労働組合が保証人になってくれる場合、審査に通りやすくなります。
しかし、自身が団体会員でない場合、審査が厳しいため利用が難しくなる傾向にあるのです。
(4)アイフル おまとめMAX
大手消費者金融・アイフルが提供する「おまとめローン」に特化した商品です。
- 金利:3.0%〜17.5%(実質年率)
- 限度額:800万円
- 追加借入可能か:不可
- 返済額を変更可能か:不可
- 返済方法:銀行振込・提携ATM返済
- 借りたお金の使い道:他社返済のみ
- 総量規制(年収規制):対象外
アイフル「おまとめMAX」では、消費者金融や銀行系カードローンのほかに、クレジットカードのリボルビング払いもまとめることが可能です。
リボルビング払いは、支払う利息も高額になることが多く、多重債務に陥った際に毎月の返済で大きな負担となる温床となります。
「おまとめMAX」で一度クレジットカード残高を精算することで、クレジットカード枠にも余裕が生まれ、高い利息から解放されるためおすすめです。
また、「おまとめMAX」はWeb・店頭窓口・電話で申込みが可能となります。審査に通過した後の手続きもWeb上で完結でき、自宅に郵送物も届かないことから、家族にもバレることなく申込みから利用まで可能になります。
(5)プロミス おまとめローン
大手消費者金融・プロミスが提供しているおまとめローン商品です。
- 金利:6.3%〜17.8%(実質年率)
- 限度額:300万円
- 追加借入可能か:不可
- 返済額を変更可能か:不可
- 返済方法:インターネット決済・口座振替・銀行振込・スマホATM・コンビニや提携ATM
- 借りたお金の使い道:貸金業者からの借入金返済に限る
- 総量規制(年収規制):対象外
「返済日が1日にまとまる」「金利が低くなる可能性がある」など、他社カードローン商品のメリットをしっかりと押さえつつ、プロミスであれば担保・保証人なしで「おまとめローン」を利用可能です。
また、現在の借入先に対してプロミスから振込で返済してくれるため、作業の手間を大幅に省くことができます。
おまとめローンを利用したいが、膨大な作業に時間を割けない方にはおすすめの商品です。
借金を一本化した後に意識したい3つの注意点
ここまで、実際に借金を一本化するために利用したいおまとめローンを5つ解説してきました。
それぞれの商品の特徴をここまで掴んできましたが、実際に借金を一本化した後に私たちはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか?
次に、借金を一本化した後に意識をするべき3つの注意点を解説します。
(1)追加借入をしない計画でローンを組む
各消費者金融・銀行が提供している「おまとめローン」は、基本的には追加融資ができない商品がほとんどです。
そのため、実際に借金を一本化する上で「毎月いくらなら確実に返済できるのか」を計算した上で、計画を立てる必要があります。
この返済計画に無理が生じてしまうと「おまとめローン」の返済が苦しくなり、別で借入が必要になる状況が発生してしまうのです。
各消費者金融・銀行のサイトに「返済シミュレーション」と呼ばれる完済までの毎月の負担額・期間などを算出するサービスを利用して、無理のない返済計画を見つけることが求められます。
(2)繰上げ返済などを利用して、短期間で返済する
おまとめローンの返済では、毎月の返済金額が決まっており返済予定を立てやすい点がメリットです。
お金に少しでも余裕があれば通常返済する金額に上乗せして返済を行えます。
この返済方法を「繰り上げ返済」と呼びます。
繰上げ返済をすることで、完済までの期間を短縮できる目に見えるメリットが得られるほか、借入総額と借入期間に対して利息が決定されることから最終的な返済総額も小さくなるのです。
具体的にはボーナスを考慮せずに返済計画を立てて、ボーナスが入った際に「繰り上げ返済」を行うことで余裕を持って返済を進めることが可能となります。
(3)「先取り返済」などの習慣を徹底する
「先取り返済」とは、収入が入った段階で返済する金額を差し引き、残りの金額で支出をやりくりする方法です。
家賃・水道光熱費などの支出をする前に優先して返済額を先取りするため、返済が上手くいく考え方となります。
どれだけ収入があったとしても、多くの支出を行なった後に返済額を捻出すると苦しいと感じてしまうものです。
とにかく優先して、収入が入ったと同時に返済額を確保することからスタートしましょう。
借金一本化を実現する7つのコツ
借金一本化を実現する「おまとめローン」は、金利が安くなる可能性もありメリットが多くある方法です。
しかし、実際には多額のお金を借り入れるため、審査基準が厳しくなる傾向にあります。
この項目では、実際に厳しい審査基準を乗り越えて、借金を一本化するための7つのコツを見ていきましょう。
(1)返済が期限から遅れることを必ず避ける
過去に返済期限を過ぎても返済を行わずに長期間延滞を行なっている場合には、個人信用情報に事故情報が登録されている可能性があります。
各消費者金融・銀行などは、個人信用情報を共有しているため、過去に延滞などがあれば「おまとめローン」の審査に通らない可能性が高くなるのです。
複数社からの借入があった場合でも、返済期限から遅れずに返済していくことが求められます。
(2)安定した収入がある状態で審査を受ける
各消費者金融・銀行がローン審査をする基準は一般的には公開されていません。
しかし、多額のお金を貸し付けることから、「毎月確実に返済を行なってくれるか」は審査に関わる項目と言えるでしょう。
「毎月安定して返済してくれる」ことを証明するために、「安定した収入があるかどうか」が審査結果に大きく左右されます。
おまとめローンを検討する際には、できる限り安定した収入がある状態で審査を受けるようにしましょう。
(3)可能な限り借入を行なっている会社を減らす
前述したように、借入社数が多くなってしまうと、「返済能力が低いのでは」と審査される可能性が高まり、おまとめローンを利用できなくなります。
できる限り、複数社からの借入を改善しておくと、審査時の印象も大きく変わるでしょう。
(4)申込書類は嘘偽りなく記入する
各消費者金融・銀行は、過去に大量の申込み書類を受け付けている経験があるため、記載内容の偽りを見破るノウハウを多く抱えています。
もしも虚偽の記載が見つかった場合には、「信頼性が欠ける」と評価され、審査に落ちる可能性もあるのです。
スムーズに借金を一本化するために、申込書類を正直に記入することが大切となります。
(5)一度に複数のおまとめローンに申し込まない
一度に複数のおまとめローンに申込みを行うと「申込みブラック」という状況になります。
実際にどのローンに申し込んでいるかは、金融機関が審査を行う上で信用情報機関のデータベースに情報が通知されるのです。
審査を行う上で「一度に複数社申し込んでいる」ことは、印象が悪いため審査に落ちる可能性が高まります。
(6)勤続年数が長いタイミングで申込を行う
審査を通過する上で大切なポイントは「安定した収入があること」と説明しました。
この「安定性」とは、現在働いている会社の勤続年数が高いことも評価する上で大切な要素となります。
勤続年数が長ければ、これからも同じ会社に勤務する可能性が高く、収入源がなくなる可能性が低いと判断されるでしょう。
そのため、勤続年数が長い状況で申込みを行うと審査に通りやすくなります。
(7)在籍確認の電話に対応する
金融機関に借入を申し込んだ場合、本当に申告した職場に在籍しているか確認するため在籍確認の電話があります。
この電話で在籍確認できれば、借入に関連する融資も通りやすくなるのです。
近年は、在籍確認の電話も多くの方に敬遠されがちですが、逆に在籍確認がしっかり対応できれば審査に通る可能性も高まります。
借金一本化ができない場合の3つの対処法
ここまでは、借金の一本化を実現するためのコツを7つ解説してきました。
最後に、もしも借金一本化自体が難しい場合に借金を整理する方法を3つ取り上げて説明します。
(1)任意整理
任意整理とは、現在の支払いよりも負担を軽減するために、貸金業者・クレジットカード会社と「利息のカット」や「分割回数」について交渉を行い、今後の返済計画について和解を結びます。
その後は和解案を元に返済を継続し、借金完済を目指す手続きです。
元本を減額することはできませんが、本来支払うべき利息をカットするため返済の負担は軽減されます。
(2)個人再生
個人再生は裁判所に再生計画の認可決定を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きです。
減額された借金をおおむね3年かけて支払うことで残りの借金については支払い義務がなくなります。
これから紹介する自己破産は一定価値のある所有財産は処分対象となりますが、個人再生では生命保険・車などの資産を持ったまま手続きできる点もメリットです。
(3)自己破産
借金返済が難しくなってしまった時に、裁判所に申し立てを行うことで「免責許可」をもらい、借金の返済を免除してもらう制度です。
「免責許可」が正式に決定すると、未払いの税金などを除いて、借金を返済する必要がなくなります。
まとめ
この記事では、借金の一本化についてメリット・デメリットから手続きに関連するコツなどを含めて総合的な視点で解説してきました。
以下が今回のまとめです。
- 「借金の一本化」は複数社から借入しているお金を、1社にまとめること
- 借金を一本化することで、「金利の低下」「返済の作業時間減少」などのメリットが得られる
- 借金の一本化は多額の借入となるため、審査基準は高めに設定される
- 実際に審査を受ける前に、どのような状況で申込みを行うべきかを知ることが大切である
- 借金の一本化ができなければ、債務整理も選択肢のひとつとして頭に入れておくことが必要
借金の一本化には多くのメリットがありますが、多額の借入を行うことには変わりないため、リスクとデメリットも存在します。
おまとめローンの利用を検討している場合には各商品の特徴も理解しておくことが必要です。
もし借金一本化が難しければ、債務整理も視野に入ってきます。
債務整理を行う場合も、まずは「借金減額診断」を利用し、どの程度減額できるかを知っておくことが必要です。
記事に書かれた知識以外にも、実際に債務整理を検討する場合には、法律事務所の無料相談を活用しながら話をすすめましょう。