
利用者獲得のための熾烈な争いが繰り広げられるスマホ決済サービス。
種類も多い上に各社キャンペーンも飛び交い、混乱している人も少なくないでしょう。
この度、スマホ決済サービスの利用動向を調査しました。
スマホ決済サービスに関するアンケートを実施!
消費税の増税、そして政府のキャッシュレス決済還元。
2019年8月の際に、当サイト「ファイナンシャルプラス」ではネット上で500名の方にスマホ決済サービスに関する利用調査を行ないました。
回答者の男女・年代比率

回答者の男女比率は約3:7で女性が多いアンケートとなりました。(定量調査を行なったプラットフォームの特性によるもの)
30代、20代、40代の順に多く、これらの年代が回答者の約95%を占めました。
※あくまでアンケート回答者の割合であり、実際のスマホ決済サービス利用者の割合とは相関しません。
アンケート調査内容
アンケート調査の内容、設問内容は次のとおりです。
調査方法 | インターネットによる匿名の定量調査(不特定多数が回答可能な方法による) |
---|---|
調査期間 | 2019年8月27日~2019年8月29日 |
回答者数 | 503名 |
有効回答数 | 500件 |
設問内容 | 1.回答者情報(性別/年代) 2.使ったことがあるスマホ決済サービスを選択してください。(選択方式/複数) 3.現在よく使うスマホ決済サービスを選択してください。(選択方式/複数) 4.スマホ決済サービスを選ぶ上で最も重視するのはどれですか?(選択方式/単一) 5.その次に重視するのはどれですか?(重複禁止/選択方式/単一) 6.スマホ決済サービスの還元キャンペーンは積極的に利用していますか?(選択方式/単一) 7.(使ったことがない方)スマホ決済サービスを利用しない理由を教えてください。(選択方式/複数) 8.スマホ決済サービスについてご意見を聞かせてください。(自由入力) |
よく使うスマホ決済サービスはズバリどれ?
まずはスマホ決済サービス各種類の利用動向を集計しました。
スマホ決済サービス利用経験者は約8割
前提として、「スマホ決済サービスを利用したことがない」と回答した方は約2割。つまり8割の方が利用経験があるという結果になりました。

PayPayの還元キャンペーンにはじまり、スマホ決済サービスを提供している各社のキャンペーンで認知が広まり、一度は使ってみた人が多いと推測できそうです。
使ったことがない人の理由は?
一方で「使ったことがない」と回答した方にはそれなりの理由があるはず。回答者103名の内訳は次のとおりでした。

事前の予想どおり、「種類が多すぎてよく分からないから」という回答が28.8%を占め、最も多い結果に。
次に「セキュリティ面で不安」が22.3%、「店舗によって使えるサービスが異なるので面倒」が21.1%でした。
「スマホを所有していない」の回答は0%で、回答者500名全員がスマホを所有している結果になりました。
スマホ決済サービスの種類一覧
今回のアンケートで選択肢に入れたものだけでも、スマホ決済サービスは14種類もあります。(事前のテスト調査により認知度がそれなりに高そうなもののみピックアップしました)
- 楽天ペイ
- PayPay
- LINE Pay
- メルペイ
- Origami Pay
- d払い
- au PAY
- FamiPay
- ゆうちょPay
- Apple Pay
- Google Pay
- pring
- pixiv PAY
- Alipay
最も人気のスマホ決済サービスは…
14種類のうち、利用者数が多いスマホ決済サービスは次のとおり。

100億円キャンペーンの甲斐あってか、最も多かったのはPayPay。国内の月間アクティブユーザー数8,000万人以上とも言われるLINEからそのまま使えるLINE Payは、PayPayとほぼ同数で2位に。
次いで通販サイトや銀行、クレジットカードで強い楽天ペイ、ドコモのd払いが続き、メルカリのメルペイが5位でした。
各サービスの利用経験率、継続利用率を表にしてみましょう。
サービス名 | 利用経験率 | 継続利用率(※) |
---|---|---|
楽天ペイ | 24.2% | 74.4% |
PayPay | 39.2% | 75.6% |
LINE Pay | 38.0% | 65.3% |
メルペイ | 18.2% | 63.7% |
Origami Pay | 3.6% | 27.8% |
d払い | 24.0% | 81.7% |
au PAY | 9.0% | 73.3% |
FamiPay | 3.8% | 31.6% |
ゆうちょPay | 2.2% | 27.2% |
Apple Pay | 13.2% | 62.1% |
Google Pay | 5.2% | 46.2% |
pring | 0.2% | 0.0% |
pixiv PAY | 0.0% | 0.0% |
Alipay | 0.2% | 100.0% |
※「現在もよく使う」の回答数÷「利用経験あり」の回答数による単純計算によるもの。
大手携帯キャリア系(PayPay/d払い/au PAY)や巨大ITプラットフォーム系(楽天ペイ/LINE Pay/メルペイ)が強い傾向となりました。
国内のiPhone利用者数に鑑みるとApple Payは意外と低めの数値ですが、主に浸透しているのがクレジットカードを持ち、さらにある程度使いこなすリテラシーの高い層と推測すると納得かもしれません。
スマホ決済サービスを選ぶ基準は?
玉石混交のスマホ決済サービスですが、利用者が特定のサービスを選び使い続ける理由はどんなところでしょうか?
単一選択形式で、「最も重視すること」「次に重視すること」を聞いてみました。
選ぶ決め手は還元率と店舗数、スムーズさ

最も多かったのはポイントやキャッシュバックなど還元率の高さ、次いで使える店舗の多さという結果に。
支払いのスムーズさを選んだ人も多く、決済アプリの立ち上げ~店員さんの作業、そして支払い完了までのスピーディさも鍵と言えるでしょう。
還元キャンペーンラッシュ。みんなどう向き合ってる?
利用者獲得のため、熾烈なキャンペーン争いが繰り広げられているスマホ決済業界ですが、実際のところ利用者はどんな温度感で各社のキャンペーンと向き合っているでしょうか?結果は次のとおりとなりました。

常にお得なキャンペーンを調べて複数のスマホ決済サービスを使い分ける人は16.6%と小数派で、
- キャンペーンはあまり気にせず、使いやすいサービスを使う(39.0%)
- 気付いたらキャンペーンを適用させ、複数サービスを使い分ける(32.6%)
上記のような「キャンペーンはケースバイケースで使う」という距離感の人がほとんどでした。
今後選ばれるスマホ決済サービスは?
今回のアンケート調査結果を踏まえると、今後は次のような特徴を持つスマホ決済サービスが利用されていく可能性が高いと言えそうです。
- 還元率が高く、利用可能店舗が多い
- キャンペーンが常に明瞭で分かりやすい
- アプリ起動も早く、会計がスピーディに終わる
- セキュリティ面で安心できる大手会社のサービス
キャッシュレスが進むのはまだまだこれから。
今後も動向を見て、上手に使いこなしていきたいですね。