



データ通信端末を探す中で、「Wimax」という単語を聞いたことがある一方で、ポケットWiFiと同じようなものと考えていて、両者の違いがよくわからないという人は多いと思います。
どちらも持ち運びやすいデータ通信端末であることは同じなのですが、WiMAXとポケットWiFiには料金体系や回線速度、サービス内容に違いがあります。
そこで、この記事ではWiMAXの基本的な特徴や、ポケットWiFiとの違いについて紹介していきます。
具体的には次のようなポイントについて解説します。
- そもそもWiMAXってなに?
- WiMAXの5つの特徴
- WiMAXとほかのポケットWiFiの違い
これからデータ通信端末を購入しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
そもそもWiMAXってなに?
まずは、WiMAXの基本情報について解説します。
本来WiMAXとは「Worldwide Interoperability for Microwave Access」の略で、通信技術の一つ。
例えばauやdocomo、ソフトバンクなどのキャリアが使用している4GLTEなどと同様に、インターネットの通信回線の一種となっています。
WiMAX=無線通信というイメージが強いですが、実は固定通信向けのWiMAX技術も存在しています。
しかし、日本では現在UQがUQ WiMAXを無線通信サービスとして提供しています。
このサービスの利用者数が多いため、日本ではWiMAXは事実上、無線通信技術の一種であると認知されているのです。
WiMAX2+とは?
WiMAX2+という単語を目にしたことがある人もいるでしょう。実は、これはWiMAXの回線の種類の一つです。
しかし、2020年3月WiMAXの回線はすべてWiMAX2+回線に一本化されているため、
事実上WiMAXとWiMAX2+はイコールであると考えて差し支えありません。
もともとWiMAXは通信速度が遅いことがネックで、特に4GLTEに劣ることが課題となっていました。
しかし2013年に生まれたWiMAX2+では、最大通信速度が110Mbpsとなり、当時の4GLTEを上回ることに成功したのです。
現在では、さらに早い5Gにも対応しており、WiMAX=通信速度が遅いというイメージは完全に過去のものとなっています。
WiMAXの5つの特徴
続いてはWiMAXを検討するうえでポイントとなる5つの特徴について紹介します。
これらの特徴に魅力を感じる人は、ぜひWiMAXの利用を検討しましょう。
- 国内の広いエリアで通信可能
- 配線不要なので室内でも便利
- 5Gで下りは2.7Gbpsの高速通信
- ギガ放題プランにより使い放題
- 複数台の端末の同時接続ができる
それぞれの特徴を詳しく紹介していきます。
国内の広いエリアで利用可能
WiMAXは充電したうえで、外にルーターを持ち運んでインターネットを使用できる端末です。
WiMAXの日本国内の人口カバー率は99%以上。人が居住する場所であれば日本国内のほとんどの場所で使用できる計算です。
また、都市部では5Gを利用できる地域も増えてきており、さらなる高速通信が実現します。
配線不要で室内でも便利
WiMAXは外で持ち運びできる点が大きなメリットではありますが、室内で利用するうえでも便利です。
通常の固定回線のインターネットを使用する場合、室内に複数本の配線をしなければなりませんが、
WiMAXであれば配線は一切必要ありません。すっきりした状態で、インターネットを使用できます。

出典:UQ Mobile公式サイト(https://www.uqwimax.jp/wimax/beginner/point/)
また、WiMAXは、使用開始するときに工事が一切いりません。
固定回線では配線が完了していないと、工事が必要。
工事自体はその日のうちに終了しますが、日程の予約をとるために時間がかかることもあります。
その点、WiMAXは契約を完了させればその日に使用できるようになります。
5Gで下りは2.7Gbpsの高速通信
UQ Mobileなどが提供するWiMAXは現在では5Gに対応。
対応地域では下りで最大2.7Gbps(2,700Mbps)、上りも最大183Mbpsの高速通信が可能になります。
UQ Mobileの首都圏の5G対応地域

出典:UQ Mobile公式サイト(https://www.uqwimax.jp/mobile/area/map/tokyo/)
現在、WiMAXでは5Gとau 4G LTE、WiMAX2+のうち、
その場所でもっとも高速通信が可能な回線を利用できる仕組みになっていっています。
最大通信速度(下り) | |
WiMAX2+ | 440Mbps |
au4G LTE | 1.2Gbps |
au5G | 2,7Gbps |
ギガ放題プランにより使い放題
配線不要で外に持ち出せるデータ通信端末の多くは高速通信のデータ容量に月あたり、もしくは日あたりの上限があります。
上限を超えると通信速度が極端に遅くなってしまいます。
端末にもよりますが125kbps~1Mbps程度に制限されるものが多く、動画視聴やオンラインゲームのプレイなどは困難になります。
WiMAXでは以前より、月あたりの上限はないのが特徴でした。
かつては3日で15GB以内という制限があったのですが、この制限も2022年2月にギガ放題プランが始まったことで撤廃。
それでも混雑時などには速度が遅くなる可能性はあるものの、
基本的にはデータ通信量にかかわらず高速通信が使用できるようになったのです。

複数台の端末の同時接続ができる
WiMAXは1台で複数の端末に同時接続が可能です。
たとえば家族で住んでいる場合も、1台のWiMAX端末があれば、全員がインターネットに接続可能です。
しかも、住宅程度の広さであれば、通信を阻害する事情などがない限りは、住宅内においておけばインターネットに接続できます。
利用する人の部屋に持ち運ぶ必要はないのです。

出典:UQ Mobile公式サイト(https://www.uqwimax.jp/wimax/beginner/point/)

WiMAXとポケットWiFiはどのように違う?


WiMAXと似たような特徴を持つデータ通信端末にポケットWiFiがあります。
現在では持ち運び可能なWiFiルータを「ポケットWiFi」と呼ぶ人も多いですが、
実はポケットWiFiはY!mobileが提供するWiFiのサービス名です。
WiMAXとポケットWiFiには共通する特徴もある一方で、いくつかの違いがあります。
ポケットWiFiとは?
本来は「Pocket WiFi」というと旧イーモバイル、現Y!mobileが提供しているWiFiサービスのことを指します。
ただし、現在ではポケットWiFiとは「持ち運び可能なルーター全般」を意味することが多くなっています。
前者の意味の場合、WiMAXとポケットWiFiは別のWiFiサービスということになりますが、
後者の意味の場合は、WiMAXもポケットWiFiの一種ということになります。
ここからは後者の意味合いでポケットWiFiをとらえたうえで、WiMAXとそれ以外のポケットWiFiの共通点や違いを比較していきます。
おすすめのポケットWi-Fiは「ネットのすべて」で紹介されているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください!
WiMAXとポケットWiFiの共通点
次のようなポイントはWiMAXとポケットWiFiに共通する特徴です。
これらのポイントに魅力を感じている人は、WiMAXとポケットWiFiどちらを選んでも問題ないということになります。
- 外出先に持ち運んでインターネット使用できる
- 工事不要で即日使用できるうえ、配線不要
- 1台で複数端末が接続できる
ポケットWiFiもまた配線不要で小さいため、持ち運んで外出先でもインターネットを使用可能。
また、室内で使用する際に配線不要なため、部屋の中がすっきりした状態でデータ通信ができるのも共通した特徴です。
また、1台で複数端末がデータ通信できるようになる点も共通する特徴です。
ちなみに、同時接続できる台数は端末により差があります。
例えばY!MobileのPocket WiFi 803ZTやUQ MobileのSpeed Wi-Fi NEXT WX06の同時接続台数は16台である一方、
Y!MobileのPocket WiFi 5G A102ZTは30台です。

WiMAXとポケットWiFiの違い
WiMAXとポケットWiFiを比較すると次のような点に違いがあります。
- 通信速度
- データ通信の上限
- 契約料金や契約条件
ただし、ポケットWiFiといっても様々な端末があり、契約内容やスペックもそれぞれ異なるので、
あくまで一般的な傾向としてとらえておきましょう。
通信速度はドコモの最新端末を除くとWiMAXで5Gを利用するのが早い
現在はWiMAXの場合5Gを利用可能。
5Gが利用できれば下りで最大2.7Gbpsの高速通信が可能になります。
5Gに対応していないポケットWiFiの場合は、早くても下りで1.2Gbps程度なので、WiMAXの方が基本的に高速通信が可能です。
また、同じ5GでもY!mobileのポケットWiFiの通信速度は2.4Gbpsなので、やはりWiMAXの方が高速です。
一方で、ドコモが2021年8月に発売開始した端末「SH-52B」は5Gでなんと4.2Gbpsという高速通信が可能なため、WiMAXはこれには及びません。
ただし、それでもポケットWiFi全体で見れば、WiMAXは高速通信が可能な端末であるといえるでしょう。
回線別の通信速度(下り・最速)
回線タイプ | 通信速度 |
docomoの5G(SH-52B) | 4.2Gbps |
WiMAXの5G | 2.7Gbps |
Y!Mobile「Pocket WiFi」の5G | 2.4Gbps |
5G未対応のポケットWiFi | 150Mbps~1.2Gbps程度 |
ポケットWiFiの多くはデータ通信上限がある
WiMAXに高速通信のデータ通信量に上限がないのは先に紹介した通りですが、
一般のポケットWiFiの多くはデータ通信量の上限設定されており、上限超過後は極端に通信速度が遅くなってしまいます。
データ通信量上限の例
WiMAX | 無制限 |
hi-ho Let's WiFi | 210GB |
AIR-WiFi | 100GB |
それがだいじWiFi | 100GB |
ZEUS WiFi | 100GB |
縛りなしWiFI | 60GB |
※複数プランがある端末は最も大容量のプランの場合



オンラインゲームや動画視聴、頻繁なWeb通話システムの使用など、データ通信量が大きい人は、WiMAXを利用するのがおすすなのです。
ポケットWiFiでは月の通信量によって複数の料金プランが設定されている場合も
使い放題のWiMAXはデータ通信量に応じた猟奇プランは設定されていませんが、
それ以外のポケットWiFiでは月のデータ通信量上限に応じて複数の料金プランが用意されている場合もあります。
例えばY!mobileの場合は、高速通信自体を7GBまでしか使用できないプランと5Gは7GBまでですが、
その後も4G LTEで高速通信が可能なプランがあります。

Y!mobile公式サイト(https://www.ymobile.jp/plan/data/pocketwifi_2/)
ちなみに、UQ MobileのWiMAXは最初の25か月間が税込で月4,268円、その後は4,950円となります。
例えばY!mobileのPocket WiFiで7GBまでのプランを選ぶと、WiMAXよりも通信費用を抑制可能です。
月当たりの通信料を抑えたい人は、上限のあるポケットWiFiのなかからリーズナブルなプランを探すのもおすすめです。
まとめ
WiMAXは5Gを利用することで高速通信が可能で、データ通信の上限を気にせず利用できるなど、
数あるポケットWiFiのなかでも魅力的な特徴をいくつか持っています。
最後に今回の記事の要点をまとめておきます。
ポイント
- WiMAXは無線通信回線の一種
- 高速性で劣後していたが、現在は5G利用もでき高速通信が可能
- 広い意味ではポケットWiFiの一種と捉えることができる
- 工事不要・接続時も回線いらずなのが便利
- 現在ではデータ通信上限が完全無制限で、大容量のデータ通信にも安心
- 通信料を抑えたいなら上限ありのWiMAX以外のポケットWiFiを契約するのも一案
高速通信や大容量のデータ通信をおこなうニーズがある人は、WiMAXの利用を検討するのもよいでしょう。