債務整理後にクレジットカードが作れなくなるというのは本当なのでしょうか。
クレジットカードのみを決済手段とするサービスも増えてきており、個人におけるクレジットカードの必要性は高くなっていますので、クレジットカードが作れなくなるなら、債務整理をするのはやめようと考える人もいるかもしれません。
そこで今回は、債務整理後はクレジットカードが作れなくなるのか?ということについてわかりやすく解説します。
目次
債務整理後にクレジットカードは作れる?
クレジットカードには多くのメリットがあるため生活では欠かせないものになりつつありますが、債務整理をした後にクレジットカードを作ることはできるのでしょうか。
新規発行はできない
結論として、債務整理後に新規でクレジットカードの発行を受けることはできません。
債務整理をすると、その事実が「事故情報」として信用情報機関に登録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
信用情報機関に事故情報が登録されると、支払能力に問題があると判断されクレジットカードの発行を拒否される可能性が高いです。
また、信用情報機関から事故情報が消えた後も、金融機関が社内ブラックとして情報を残すことがあり、一度債務整理をした債権者とは、社内ブラックにより半永久的にカードを作れない可能性があります。
「社内ブラック」:債務整理の対象であった債権者が債務整理をした事実を社内で記録として残すこと。
【債務整理のリスク】ブラックリストに載ってしまう?
利用も停止されてしまう
債務整理の対象になったクレジットカード会社との関係では、強制解約となりカードが利用できなくなります。
自己破産・個人再生ではすべてのクレジットカード会社と手続きを行うので、カードは利用不可。
しかし、任意整理ではクレジットカード会社を外して手続きをおこなうこともできるので、当面はカードが利用できることがあります。
クレジットカードの更新もできなくなる
クレジットカードは有効期限があり、有効期限を迎えると更新をしないとカードが利用できません。
しかし、この更新時に信用情報を確認するため、ブラックリストであることが発覚しクレジットカードが利用できなくなります。
任意整理・特定調停でクレジットカードを対象から外したとしても、更新時には利用不可になるので注意しましょう。
クレジットカードはいつから作れるようになる?
債務整理をした後にクレジットカードを作るためには、信用情報機関から事故情報がなくなることが必要です。
- シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
以下で、手続き別に見ていきましょう。
任意整理の場合はおよそ5年後
任意整理をした場合、完済後およそ5年間は事故情報が残ります。
そのため、任意整理により成立した和解内容で借金を完済後5年が経過して、信用情報機関から事故情報がなくなればクレジットカードを作ることが可能です。
https://digital-plus.co.jp/finance/ninniseiri-shinaihougaii-demerit
個人再生の場合はおよそ5年後
個人再生をした場合、再生手続の開始決定日からおよそ5年間。
ただし、これはあくまでも目安であり、債権者によって事故情報を登録するタイミングは異なります。
その意味では、再生計画案に従って債務を完済後5年が経過したタイミングでクレジットカード発行を申し込んだ方が審査に通る可能性は高いといえるでしょう。
※参考:裁判所 「個人再生手続について」
自己破産の場合の場合は最長10年後
自己破産をした場合は、免責許可決定の確定日から5~10年間。
このように自己破産の場合、機関によって事故情報が残る期間に違いがあるため注意が必要です。
特定調停の場合はおよそ5年後
特定調停を申し立てた場合は、完済後およそ5年間。
そのため、特定調停で成立した内容で借金を完済後5年が経過して、信用情報機関から事故情報がなくなればクレジットカードを作ることが可能です。
※参考:裁判所 「特定調停手続」
https://digital-plus.co.jp/finance/saimuseiri-tokuteityoutei
債務整理後にクレジットカードを再発行する方法・コツ
続いて、クレジットカード再発行するコツをご紹介します。
信用情報開示を行う
債務整理後クレジットカードを作れるようになるタイミングは、債務整理の手続きによって違いがあります。
事故情報が登録されているかどうかは、信用情報開示制度を利用することで確認可能ですので、債務整理後にクレジットカードを作る際には、事前に確認しましょう。
取引実績を作る
実は、事故情報の削除に伴って今までの取引履歴についても削除されてしまいます。
取引実績がないというのは、大人の場合とても不自然なことで、この状態のまま申請をしてもかなりの可能性で審査に落ちてしまうでしょう。
そのため、クレジットカードの再発行を進める前に、取引実績を作ることが大切です。
おすすめの方法は、携帯購入の際に端末を分割で購入し毎月しっかりと払い続けること。
過去に取引をしていない会社に申し込む
とは言いつつも「事故情報は消えたからすぐに発行したい」という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、今まで一度もカードを作ったことがない・取引をしたことがない会社のクレジットカードを申し込みましょう。
少ない可能性ですが、かけてみる価値はあります。
また、比較的審査が通りやすいカード会社をリサーチした上で申し込むのも良いでしょう。
その上で、申し込みの際にはキャッシング枠を設定しないこと。
債務整理にはクレジットカードが使えなくなってしまうデメリットがございますが、メリットも大きいです。
利用する際にはどちらも考慮に入れた上で慎重に判断しましょう。
請求が払えない状況についてどのように対応すればいいか詳しく解説しておりますので是非ご覧ください!
クレジットカードの審査が通らない!絶対にやってはいけないこと
事故情報が削除されたからと言って、クレジットカードがすぐに発行できるようなるわけではありません。
何度も審査に落ちていく中で、やってしまいがちな行動の中でも、絶対にやってはいけないことについてご紹介します。
複数の会社に同時に申し込んでしまう
「たくさん申し込みをしてどれか発行できればいいや」という考えで同時に申し込みをしてしまうのはとても危険です。
信用情報を含めた顧客情報は、細かく明記されてはいませんが、クレジットカード会社間で共有されている可能性が高く、
同時に申し込みがあった場合には全ての会社で審査落ち→その後全て利用できなくなってしまう。
ということも十分にあり得ますので、絶対にやらないようにしましょう。
審査に通らない理由を何回も聞く
クレジットカード会社に何度も理由を聞いてしまうと、社内ブラックとして扱われ余計に審査に通らない可能性が高くなります。
そもそも、審査落ちの理由は開示しないと明記されていますし、コールセンターで電話を受けてくれる方に情報が知らされていることはありません。
聞くだけ損ですので、絶対にやめましょう。
申込の際に虚偽の内容を記載する
クレジットカードの申請書は、重要書類となりますので誤字脱字を含め虚偽の内容は絶対に記載してはいけません。
ばれないと思い、虚偽の内容を記載しても大体の場合発覚してしまいます。
ただ、審査の担当者に悪い印象を与えるだけになってしまうので、絶対にやめましょう。
クレジットカードを使いたい場合はどうする?
生活をしていくにあたり、クレジットカードが必要となる場面は増えてきています。
債務整理をした後もできるだけ早いうちにクレジットカードを使えるようになりたいと考えるのが自然でしょう。
この場合、どのような方法があるのでしょうか。
信用情報の回復を待つ
信用情報機関に事故情報が残っている間は新規でクレジットカードを作ることは難しいです。
そのため、債務整理の手続き別に設けられている事故情報の掲載期間が経過し、信用情報が回復するのを待つしかありません。
掲載期間が経過し、事故情報が消えていることの確認が取れればクレジットカードを作ることができます。
デビットカード・プリペイドカードを使う
クレジットカードに似たカードに、デビットカードとプリペイドカードがあり、どちらも発行時に審査は無いのでブラックリストでも利用が可能です。
「デビットカード」は、銀行口座に紐づけされていて、口座残高を上限として支払いに利用できるカード。
デビットカードは支払いと同時にその支払額が口座から引き落とされるため、現金で支払いをする場合と同じようにその場で支払いが完結します。
一方で、「プリペイドカード」は、あらかじめチャージをして、そのチャージした金額を上限として支払いに利用できるカード。
たとえば、交通系電子マネーのSuicaやPasmoはプリペイドカードの一つとされています。
プリペイドカードは事前にお金を支払ってチャージしなければならない点でデビットカードとは異なりますが、決済した時点で支払いが完結するという点ではデビットカードと同じです。
家族カードを使う
「家族カード」は、カード会員の家族が会員と同様のサービスを受けることができるカードのこと。
家族カードは、家族が会員に係る利用可能額を上限として支払いに利用でき、利用代金は会員の銀行口座から引き落とされるようになっています。
本人がクレジットカードを作れない場合でも、家族カードを利用することでクレジットカードと同様の恩恵を受けることが可能です。
一部のクレジットカードは発行可能な場合もある
ここまでブラックリストとなった場合についてはクレジットカードの新規発行が出来ない、と解説させていただきましたが、一部のカードについては審査時に過去の信用履歴ではなく、現在の支払い能力を重視する会社があり、発行可能な場合もあります。
外資系で独自の審査基準を持っていると言われているアメリカン・エキスプレスカードや、消費者金融のアコムが発行している「ACマスターカード」、年会費有料版のライフカードなどが当てはまります。
確実に発行できる、とは断言できませんが、もし収入が安定して毎月支払いが可能な状態なのであれば、色々な比較サイトの情報や口コミを参考に申込みし発行に挑戦してみるのも良いかもしれません。
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ひばり法律事務所について
所在地 | 東京都墨田区江東橋4丁目22-4 第一東永ビル6階 |
対応業務 | 借金問題・サイト被害・離婚・相続など |
まとめ
債務整理をすると、そのことが事故情報として信用情報機関に登録されるため新規でクレジットカードを作ることは難しくなります。
再度クレジットカードを作れるようになるには、信用情報が回復するのを待つしかありませんが、現在ではクレジットカードに似た機能をもつカードもあります。
債務整理をして生活を立て直すためには一定の時間が必要となりますので、クレジットカードを作れるようになるまでにしっかりとした生活基盤を作ることが大切です。
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