お金を借りて長く返済しているにもかかわらず、なかなか減らず、逆に少しずつ借りた結果借金は増えてしまったという方を見受けます。
借金はうまく借りないと長期間にわたって返済に追われてしまうのです。
長期間に渡る返済になるケースでは、金利が関係している場合が多いです。
この記事では利息・金利などの計算方法についてご説明しますのでぜひ参考にしてみて下さい。
目次
キャッシングやローンの利息・金利とは
キャッシングやローンでお金を借りたときに借入先に対して支払うお金を「利息」といいます。
そして、この借りたお金に対して支払う利息の割合が金利です。
基本的に現在の貸金業法では出資法を越える金利で融資することは禁じられており、10万円以上100万円までの借入の場合には18%が制限金利の上限になっています。
※参考:金融広報中央委員会 「金利とは」
借金の利息・金利の仕組み
金利の表示は年率、すなわち1年間借りた際に支払う利息の割合で示します。
それぞれの金融機関で審査の結果によって決まりますが、基本的には借入額が多くなるほど金利は低く設定されます。
金融機関で設定している一番高い金利を上限金利と言い、消費者金融やクレジットカードのキャッシングでは18%がほとんど、銀行のカードローンの場合には14%台のところが多くなっています。
借金が減らない理由は利息を考慮できていない可能性が高い
「借金を返しても返しても減らない。」なんて、日常悩みをかかえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
借金を返してもなかなか減らない主な原因としては、返済計画をたてずに衝動的に手持ちのお金が足りないからと借りてしまうことがあります。
このような場合は金利を意識せず、毎月いくらの利息を払うのかを知らないままに借りてしまっています。
返済金の中でいくら利息を払っているのかわからなければ、完済するまでどれくらい支払い続けるのかもわかりません。
結果として想像してた以上に元本が減らず「借金が減らない」と感じてしまっている可能性があります。
キャッシングやローンの利息・金利の計算方法
では、借金の金利を使って利息を計算するにはどうすればよいのでしょうか。
計算ができなければいくら金利がわかっていても利息金額がわからず、計画的な返済の見積もりはできません。
この年率金利を使って利息金額を計算してこそ、どれくらいの期間で完済できるかという計画をたてられるのです。
金利の計算方式は
「利息=借入残高×借入利率÷365日×利用日数」という形で算出されます。
利用日数は前回の返済日を起点として算出します。ただし、前回の返済日は利用日数には含みません。
なお、この計算方法はどの金融機関でも同じですが、うるう年の場合には365日が366日で計算されます。
この計算方法で算出された利息金額を含めて毎月返済をすることになるのです。
キャッシングやローン返済のために行うべきこと
ここまで説明してきたように、借金をする場合には計画的な返済スケジュールをたてて借りることが必要です。
各金融機関毎に返済期間や金利は異なり、毎月の利息を含んだ返済金額もそれぞれで違ってきます。
そのため、借金総額や毎月いくら返済するのかはしっかり把握しておく必要があります。
これを怠って借金をしてしまうと、いつの間にか返済が苦しくなるという事態に陥ります。
現在返済が苦しいという場合にはまず、この借金総額と返済金額を把握しておくことが特に重要です。
借金総額を把握する
借金を無計画にされる方の場合には何回も借入れたり、1社に限らず何社からも借りたりしてしまうことが多くなります。
ほとんどの返済がリボ払いになっているため、毎月の支払金額はそれほど増えていなくても、借金総額は大きく増えていることが多いのです。
そのために、全体の借金総額がどれくらいなのかをまず把握する必要がありまず。
カードローンやクレジットカードの場合にはATMやネットの公式サイトの会員ページで調べることができます。
借金総額を把握し、それぞれに金利を掛ければ毎月いくら利息を支払っているのかもわかります。
返済期間をなるべく短くして支出を減らす
借金を返済するためには利息を減らしていく事が有効です。
そして、利息を減らしていくためには、なるべく元本が減るように返済スケジュールを見直し、返済期間を最短にする事が支出を少なくするコツです。
現在の家計状況で最大限に返済出来る金額を見積もり、その金額を借入先ごとに割り振って返済スケジュールをたてるのです。
例えばカードローンでは返済額を上乗せするのは自由、上乗せした金額はすべて元本返済に充当されます。
多く返済した分、借金額に対する利息金額は翌月以降少なくなります。
特に銀行カードローンは返済期間が長くて最低返済額が少額のケースが多いため、同じ金額を借りても長期間の返済になります。
そのため、金利は消費者金融よりも3~4%低いものの、総利息支払額は逆に多くなってしまいます。
このような場合はなるべく返済額を上乗せできるように調整をしていきましょう。
各社の借金返済シミュレーションを活用する
借金の返済スケジュールを見直すためには借金総額や金利がわかっても、面倒な利息計算が必要になります。
1社だけの借入であればパソコンのエクセルなどで計算が可能ですが、何社からも借りている場合には非常に複雑になり、返済可能額の範囲内でどうすれば支出を抑えられるのか、それぞれの組み合わせをエクセルで計算するのはかなりの労力が必要になります。
そのような時に便利な方法の一つが借入先などで用意されている返済シミュレーションを利用することです。
多くの大手消費者金融や銀行カードローンには公式サイトに返済シミュレーションが設けられており、借入金額、金利、返済金額を入力すれば完済までの返済スケジュールや利息金額が表示されます。
借入先が少なければ、その結果によってもっとも早く完済できるスケジュールを選ぶことが可能です。
しかし、それでも借入先が多かったり、返済シミュレーションがない借入先があったりする場合にはやはりかなりの労力が必要になります。
借金返済アプリを活用する
もう一つの便利な方法としてはスマホアプリを利用する事です。
おすすめしたいのは「アプリでの返済シミュレーション」。
返済シミュレーションアプリであれば、借金残高と金利、それに返済額を入力するだけで返済期間や利息金額を確認することができます。
借入先ごとにパソコンで画面を切り替えることもありませんので、かなりの時間短縮が可能になります。
たとえば、以下のような無料で利用できるアプリサイトもありますので、ぜひ利用するようにしてください。
- 借金返済計画・リボ払い計算(iPhone・Android対応)
- ローン計算 iLoan Calc(iPhone向け)
- ローンヘルパー(Android向け)
借り換え・おまとめローンの利用を検討
借り換えやおまとめローンの利用を検討しましょう。
借金返済がつらいと感じる人の多くは、利息が軽減すれば…と思うのではないでしょうか。
利率を下げる効果があるものとして、借り換えやおまとめローンといったものがあります。
借り換えは、利率が高い消費者金融・信販会社からの借り入れを、利率が低い銀行などのへの借り入れにするものです。
おまとめローンは、利率が高い消費者金融などへの複数の借り入れを、利率が低い銀行などからの借り入れにまとめることを言います。
大きなお金を審査の厳しい銀行から借りることになるので利用できる人は少ないですが、債務整理のようにブラックリストになることを回避できます。
友人、家族に相談する
長期間の借金の場合は予期せぬトラブルが起こる可能性も多々あります。
また、返済スケジュールを確認せず、機会があるごとに借入を増やして返済が困っている方もいるのです。
そのようなケースには家計がピンチに陥ることがあります。
病気やケガによる入院や新型コロナウイルスの影響で職を失ったという場合には、金融機関も返済の猶予や返済額の引き下げなどに応じてくれる場合が多いです。
しかし、返済スケジュールをたてず、毎月の浪費などで家計が苦しくなった場合はそのようにはいかず、契約の強制解除で一括返済を求められるケースも多くあります。
このような際は、やはり友人や家族、親族などに相談してみるのも有効です。
ただ、友人や親族の場合にはうまく返せない場合に関係にひびが入ることも少なくありません。
債務整理を検討する
友人や親族、家族と相談しても返済の目途が立たない場合には債務整理を検討するしかありません。
放っておくと差し押さえの通知が来てしまいます。
この債務整理については、次の章で詳しく説明させていただきます。
債務整理とは?仕組みからメリット・デメリット、おすすめの弁護士・司法書士の選び方まで口コミ付きでご紹介!
債務整理とは?過払い金請求についてもご紹介
借金が多過ぎて返済ができなくなった場合、最後の砦になるのが債務整理です。
ただし、債務整理といっても任意整理、自己破産、個人再生法の利用、特定調停などさまざまなものがあります。
また、これらについては自分自身で行えたとしても、借入先が1社などと少ない場合の任意整理に限られ、基本的には弁護士や司法書士に相談するのが良いでしょう。
それぞれの債務整理の種類について簡単にご説明します。
任意整理
任意整理はいくつかある借入先と交渉して、返済期間の長期化、利息の棚上げ、元本のカットなどをおこなって、自身の可能な範囲内で返済するようにするものです。
借入先が多い場合には一人で行うのは難しく、弁護士や司法書士に相談するようにしましょう。
ただし、信用情報機関には金融事故登録がおこなわれるため、クレジットカードやカードローンの利用はできなくなります。
https://digital-plus.co.jp/finance/ninniseiri-shinaihougaii-demerit
特定調停
特定調停は簡易裁判所が借入先との間に入り、話し合いを仲裁して返済条件などを調整する制度です。
借入先との話し合いがうまくいかない場合におこなわれます。
なお、金融機関側が申し立てることもあります。
この話し合いが不調に終わった場合には、個人再生や自己破産に移行することになります。
※参考:裁判所 「特定調停手続」
https://digital-plus.co.jp/finance/saimuseiri-tokuteityoutei
個人再生
会社などには会社更生法があり、事業を継続しながら借金をカットして返済する方法があります。
個人再生法はそれと同じように、個人の方が法律上で返済期間の長期化、利息や元本のカットなどを行うものです。
任意整理などで借入先との調整がつかない場合の次に検討するべき手段ですが、借金は減っても残るため、返済目途のある方の場合に限られます。
ただし、個人再生は官報に掲載されるため、周辺の方に知られてしまうこともあり、肩身の狭い思いをせざるを得なくなります。
信用情報機関にも記録が残るため、最低5年間は新たに借金をすることはできません。
※参考:裁判所 「個人再生手続について」
自己破産
自己破産は返済の見込みがまったく立たない場合に行う最後の手段になります。
最終的に自己破産が認められ、債務の免責が認められた場合には、担保のある借入以外はすべて返済しなくてもよくなるのです。
なお、自己破産も個人再生と同様に裁判所を通すため、結果が官報に掲載され、やはり5年間借入はできません。
過払い金請求
過払い金返還請求は、2006年の貸金業法改正以前に利息制限法を越えた金利借りていた場合が対象になります。
旧貸金業法での借入金利と利息制限法の制限金利との差額を借金に充当して計算し直して、借金返済に充て、元本充当よりも多く払っていた場合に上回った金額が帰ってくるものです。
時効が10年になっているため、最近では請求件数は少なくなっています。
ただし、途中で一度完済している場合には10年の時効で請求できない場合がありますので、弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。
借金返済の悩みは弁護士・司法書士に相談しよう!
借金が膨らみ過ぎてどうしても返済ができなくなった場合には一人で悩まず、弁護士や司法書士に相談してみてください。
返済できないからと延滞を続けていると、遅延損害金も発生しより苦しい状況に追い込まれることもあります。
弁護士・司法書士に相談するメリット
借入先が何社もある場合には利息や返済総額の計算などは非常に面倒であり、しかも何社もの借入先と交渉を行うことなど、個人で行うのは難しいといえます。
そのような場合には弁護士・司法書士事務所に相談すれば、利息計算や交渉事なども代理でやってもらえるのです。
借金返済でびくびくしながら生活することはなくなります。市町村などの市民相談窓口でも弁護士や司法書士などの専門相談員による相談を受け付けていたりしますよ。
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まとめ
本来借金は自分で返済できる範囲で行い、早めに完済してしまうことが、賢い利用の仕方で支払い負担も少なくなります。
そのために、返済額や利息金額のスケジュールを事前に立て、計画的に借入れ、返済をされることをおすすめします。
計算に関しては、借入先のサイトに返済シミュレーションがありますし、スマホのアプリで返済シミュレーションが出来るものもありまますので、それらを利用して賢く借りるようにしてください。
なお、どうしても返済ができない状況になった場合には、ご紹介させていただいた債務整理を検討することをおすすめします。
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